中高年世代にとって輸入車、いや、「ガイシャ」は、常に憧れの存在だった。音といい加速といい、国産車と同じ「エンジン」という機械を使っているとは思えないほど素晴らしかった。ところが最近の輸入車のパワートレーンときたら……なっとら〜ん!!
※本稿は2023年11月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部、トヨタ、マツダ、メルセデスベンツ、BMW、ルノー、ランドローバー
初出:『ベストカー』2023年12月26日号
■ターボのM3よりNAのIS500でしょ!!
かつてスポーツエンジンは、パワフルであることが最大の正義だった。パワーアップにはターボ化が圧倒的に有利。ターボテクノロジーの進歩により、燃費でもターボが有利になった。
おかげでガイシャのスポーツエンジンは、アメ車を除いてほぼすべてターボ化された。スポーツエンジンだけでなく、実用エンジンも全部ターボ! もはやターボはアタリマエ。平凡な存在となった。
ガイシャを代表するスポーツカーのひとつがBMW M3/M4だが、パワーユニットは当然ターボだ。
確かにパワフルだが、フラットトルクでドラマに欠ける。突き抜ける快感も物足りない。それで得られるパワーにも意味を感じない。もっと快感を!
その点、国産スポーツエンジンには、まだ自然吸気が残っている。それがトヨタの5L、V8だ。この気持ちよさは世界唯一!
レクサスIS500のエンジンの快感は、BMW M3/M4のはるか上を行っている。いまや大排気量自然吸気スポーツエンジンは世界遺産。国産車にはそれがある!
■ヤリスとルーテシアのハイブリッドじゃ勝負にならん!!
今ごろになって、一部ガイシャ勢がハイブリッドに力を入れ始めている。全面EV化までのつなぎとして必要性に迫られたのだ。
なかでもルノーのeテックハイブリッドは、「ガイシャのハイブリッドとしてベスト!」と高く評価されている。
確かに悪くない。これまでのガイシャ勢のマイルドハイブリッドに比べたら別物だ。高速道路の時速130km巡航では、国産勢よりレスポンスもいい。
しかしそれはあくまで、高速巡航に限った話。平均実用燃費に関しては、同クラスの国産ハイブリッドの足元にもおよばない。
ヤリスハイブリッドは、ヘタすればリッター40km走る。そこには「燃費世界チャンピオン!」「世界の頂点!」という感動がある。ルーテシアのeテックハイブリッドでは、リッター20kmが精一杯だ。勝負になってないぜ!
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