街乗りでも快適さを損なわず乗用車感覚で乗れるクロスオーバーSUVは人気車種も多く、今や大激戦のカテゴリー。しかし、出せば何でもヒットするわけではなく、鳴かず飛ばずのモデルだってあったのだ。そんなブレイクできなかったクロスオーバーSUVを紹介しよう。
文/木内一行、写真/トヨタ、日産、マツダ、三菱
【画像ギャラリー】出来は良かったのにブレイクはしなかったのはなぜ!?(18枚)画像ギャラリー■「SUVテイストにアレンジされた異色のスカイライン」日産スカイラインクロスオーバー
スカイラインと名乗りながら、まったくソレっぽくないのがこれ。スカイラインクロスオーバーだ。
それもそのはず、もともとはインフィニティブランドの「EX」として開発されたクロスオーバーSUVなのだから、スカイラインと名乗るのも少々無理がありそうだ。
とはいえ、クーペとSUVを融合させたというスタイリングは、同時期に販売されていたV36スカイラインと似たようなフロントマスクだし、FRレイアウトらしいロングノーズのプロポーションもスカイラインに通じるものがある。
エンジンだって330psを発揮する3.7LのV6を搭載し、マニュアルモード付きの7ATをドッキング。スカイラインの名に恥じないパワフルな走りと、スポーツカー的なドライビングの楽しさを味わわせてくれる。
しかし、販売面では苦戦し、やむなくひと世代で終了。クルマとしての魅力は決して低くはないため、スカイラインを名乗らなければ違う結果になっていたのでは……と感じさせる一台である。
■「GMと共同開発したアクティブ系クロスオーバー」トヨタ・ヴォルツ
「ヴォルツ」と聞いてパッと思い浮かぶ人は、そう多くないだろう。それほどヴォルツはマニアックなクルマだ。しかし、斬新なコンセプトや遊び心満点の作りは目を見張るものがあり、「残念なクルマ」のひと言で片付けるには惜しい存在なのである。
生い立ちも一風変わっていて、トヨタとGMが共同で企画・デザインを行い、トヨタが設計と評価を担当。両社の合弁会社である米国のNUMMIで生産し、日本に輸入される、いわば輸入車だ。
外観は、SUVのデザインとステーションワゴンの機能性を融合させ、個性的なフロントマスクや大径タイヤ、クラッディングパネルなどでアクティブ系スタイルを創出。室内も樹脂製フロアを採用するとともにフロアレールやフックを装備し、アウトドアでの使いやすさを実現している。
その一方、2ZZ-GE搭載車には4ATのほかに6MTも設定。走りを楽しみたいユーザーへの配慮も忘れられていない。
イロモノと思われていたヴォルツだが、実はアクティブに使えるだけでなく、走りも楽しめる新感覚のクロスオーバーだったのだ。
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