なぜブレイクできなかったのか!? 時代を先取りしすぎた? 残念至極のクロスオーバーSUV5選

■「SUVでもスポーツカーの雰囲気と楽しい走りを」マツダCX-7

なぜブレイクできなかった!? 残念至極のクロスオーバーSUV
大径タイヤを四隅に配置し、スポーティで力強いスタイルを実現。ボンネットから独立するように張り出したフロントフェンダーが特徴的で、フロントグリルはマツダのファミリーフェイスのファイブポイントをイメージしている

 クロスオーバーモデルといってもさまざまで、マツダが2006年に送り出したCX-7は、SUVとスポーツカーを融合させた「スポーツクロスオーバーSUV」だった、

 大きく傾斜したフロントウィンドウや立体的に張り出したフェンダーなどのディテールを取り入れ、スポーツカーのスピード感やSUVの持つ力強さを表現。「一羽の鷹がメトロポリタンの摩天楼から地上を見下ろしている」ことをイメージしたという。

 見た目だけでなく、室内でもスポーツ性は感じられる。シリンダー形状の3眼メーターやワイドなセンターパネル、センターコンソールを高めに設定してシフトレバーとドライバーの位置関係をスポーツカーと同様にするなど、雰囲気作りも充分だ。

 もちろん、走りもスポーツカーとSUVの融合にふさわしい実力を備えており、パワフルかつ軽快な走りが楽しめる。

 デビュー時には、ハリアーやムラーノがクロスオーバーSUVとしてすでに市民権を得ていたが、CX-7は完全に不発。しかし、マツダらしい走りの楽しさを持つ「Zoom-Zoom」なSUVだったことは間違いない。

■「VR-4の走りにハッチバックの利便性をプラス」三菱ギャランスポーツ

 三菱の中核として長年活躍し、ラリーのイメージも強いギャラン。7代目では派生車種として「ギャランスポーツ」が登場。その名から、走りを意識したモデルを想像してしまうが、実際にはスポーツスペシャリティとライトRVのクロスオーバーという、なんとも不思議なクルマだった。

 欧州仕様の5ドアがベースになったギャランスポーツ。GTのスポーティな走りと、RVの持つ遊び心、この両方を持つ新しいコンセプトのクルマとして「GTRV」をキーワードに開発された。

 エアダム一体型バンパーにはバンパーガードが装着され、ルーフレールと大型リアスポイラーも装備。これだけで、一気にRVっぽく見えるのだから面白い。室内だって、分割可倒式リアシートの採用により、自在に使えるラゲッジスペースを実現した。

 メカニズムは基本的にギャランと同じで、上級グレードには2リッターV6ツインターボにフルタイム4WDを組み合わせ、VR-4譲りの運動性能を発揮する。

 ちなみに、キャッチコピーは「ワゴンよりスマート、セダンよりワイルド」だった。

■「シンプル&ナチュラルなデザインは女性ウケも抜群」日産ラシーン

 最後までここに入れるかどうか悩んだのがラシーン。そこそこ売れたし、現在も根強いファンがいるため、ブレイクできなかったクルマではないが、ひと世代で姿を消したために入れることにした。

 1993年の東京モーターショーで参考出品され、反響の大きさから翌1994年12月に市販されたラシーン。メーカーのリリースには「セダンの実用性を備えた“新感覚のRV”」と記されているが、その魅力はなんといってもデザインにある。

 レトロを感じさせる線と面を基調としたシンプル&ナチュラルなスタイリングは、Be-1やパオといったパイクカーに通じるもの。これにグリルガードやルーフレール、背面タイヤなどを装備してRV感を強調し、ワゴンでもRVでもない新しいスタイルを構築したのだ。

 メカニズムもしっかりとしたもので、全車ビスカスカップリングを用いたフルタイム4WDを採用。さらに、悪路での走破性を高めるため、最低地上高も170mm確保された。

 クルマ自体の魅力に加え、某アニメキャラが登場するCMの効果もあり、それなりの人気を獲得したが2000年に生産終了。その後、新型も後継も登場することはなかった。

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