■スピードリミッター解除の方法
では、どんな手段でスピードリミッターを解除するのか? それには以下のふたつの方法がある。
■後付けユニットの装着
最初に紹介するのは、クルマのアフターパーツメーカーが販売するリミッター解除ユニットを装着するというもの。チューニングパーツなどをラインナップするアフターパーツメーカーでは各車に対応するユニットを販売していて、これを装着すればリミッターを解除できる。
具体的な解除方法は機種によっても異なるが、一般的な後付けユニットはECU(エンジンコントロールユニット)に送られるリミッター信号を変更してリミットを解除する。
この後付けユニットによるリミッター解除は比較的簡単に行えるのがメリットで、ユニットの価格は安価なものなら1万円程度。さらに高価なユニットも存在している。
■ECUのプログラム書き換え
クルマのスピードリミッターはECUのプログラムとして搭載されている。そこでこのプログラムを書き換え、リミッターが作動しないようにする方法もある。当然ながらこのプログラム書き換えは専門業者に依頼する必要があり、チューニングショップなどでこのサービスを実施している。
プログラム書き換えのメリットは、余計なユニットを装着しなくても解除が行えること。デメリットはプロによる作業が必要なことで、手軽さという点では後付けユニットに軍配が上がる。
ただし、車種によってはプログラムの書き換えが不可なケースもあり、その場合は後付けユニットに頼ることになる。
プログラム書き換えの費用はショップや車種で異なるが、おおむね5万~20万円ほど。プログラム書き換えと後付けユニットのどちらでもリミッター解除が可能な場合は予算で決めるのもよいだろう。
■世界のスピードリミッター事情
最後は日本を含む世界のスピードリミッター事情を見ていこう。
スピードリミッター搭載は世界各国で共通の自主規制ではなく、この機能を搭載していないモデルも多い。つまり、普通自動車は180km/h、軽自動車で140km/hというリミットを設けている日本が少々特殊ともいえる。
欧州車ではハイパフォーマンスカーにスピードリミッターが搭載されていたケースもあるが、これも法的規制ではなくメーカー間の紳士協定によるもの。
そして、そのリミット値も250km/hと日本に比べてはるかに高い。これはもちろん、そもそもの道路速度規定が異なるため。もっとも、250km/h以上の速度を出しても交通違反にならないのはドイツのアウトバーンくらいなのだが。
だが、こうした状況にも変化が生じつつある。スウェーデンのボルボは、2022年7月以降に販売される内燃機関(エンジン)搭載の新車に180km/hのスピードリミッターを搭載していて、EV(電気自動車)では160km/hのモデルもある。
また、ほかの欧州メーカーでもスピードリミッター導入の動きはあるが、これは燃料や電力の消費を抑えて環境へ負荷を軽減する狙いも考えられる。
日本でもEVが増えているが、例えば日産の軽EVサクラに140km/h、普通EVのアリアには180km/hのスピードリミッターが搭載されている。これは従来のガソリン車の基準に即したものだ。
基本的に日本国内の公道では作動することがないスピードリミッターだが、解除が可能で、しかもそれが違法ではないことに注目したい。特にサーキット走行を考えている人は、スピードリミッターを解除する選択肢もあることを知っておいて損はない。
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