■そもそも一時停止って何秒? 停止位置は厳密にいうとどこ?
おそらく人によって長さは違うだろうが、筆者は「3秒くらいかな?」と思っていた。一時停止の時間について道路交通法に明確な数字は書かれていない。しかし、一時停止とは「止まることだけではなく、左右の安全を確認するに必要かつ充分な時間停止すること」だ。
よって、たまに見かける「一時停止後即発進!」などでは左右の安全を確認するに必要かつ充分な時間停止したとは認められないし、3秒キッカリ止まったとしても左右の安全を確認していなければ認められないだろう。
そして停止位置も重要だ。
道路交通法では停止線がある時、停止線のない交差点、横断歩道などでは“その直前”と記されている。なので、フロントバンパーが停止線や横断歩道に少しでもかかった状態での停止は一時停止とは認められない可能性大。
特にフロントノーズの長いクルマでは、どこがクルマの先端かがわかりづらいので要注意! たまに見かける「手前すぎない?」と感じる停止線などに関しても記述があるので、一時停止に関しては下記の記事を参照されたい。
【案外知られてない? 3秒は正しい?】「一時停止」は何秒間止まるといいのか
また、「停まった、停まってない」となった場合や歩行者が譲ってくれた事実などを確実に録画してくれるドラレコの取り付けも検討すべきだろう。
■譲ってくれたからといって、即発進するのは危険
一時停止後に歩行者から「どうぞ!」とされ、こちらも「いえいえ、そちらがどうぞ!」と譲り合うこともあるだろう。
歩行者が一向に譲る姿勢を崩さないので、「では……」と進み始めたら、譲るのを諦めた歩行者も同じタイミングで歩き出して「おっとっと……」なんてこともあるため、こちらが先に動き出す際は歩行者の動きをよーく見極めてから。
とはいえ、こちらが正しく一時停止し、何度か続いた「お先にどうぞ!」の末に進んでいるのに警察官に止められることがあるかもしれない。なので、私たちにできることは、正しく一時停止を行い、歩行者とコミュニケーションをとったうえで注意して進むこと。
そして違反を疑われたら事実を正しく伝え、ドラレコの映像も確認して断固として否認すべし! それが面倒なら、歩行者が行ってくれるまでとにかく待つしかありません……。
■2022年の調査では、一時停止率の全国平均39.8%!
警察がここまでやっきになって取り締まりを行うのにはわけがある。2016年から2023年にJAFが調査した「信号機のない横断歩道におけるクルマの一時停止率(全国平均)を見ると、2016年7.6%、2017年8.5%、2018年8.6%、2019年17.1%、2020年21.3%、2021年30.6%、2022年39.8%となっている。
2016年の全国平均が7.6%だったことに非常に驚くが、それでも年々改善しつつあり、2022年には約4割が一時停止するようにはなっている。だが、見方を変えれば6割ものドライバーが一時停止していないという現実。
きちんとルールを守っているのに取り締まりを受けるドライバーがいるいっぽうで、「もしかして、一時停止しないといけないって知らないんじゃ……」なレベルのドライバーが6割もいるのだ。
ということは、自分の周りにも「え? 知らなかった!」や「一時停止の方法、間違っていた!」などという人がたくさんいるってこと。自分の周りのドライバーにもぜひ一度確認を。
そして間違えた認識のドライバーがいたら、やさしく教えてあげてください。
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