教えてもらっても実地ではあまり役に立っていないと感じることは意外と多いものだが、逆に「なぜこれを教えないの??」ってことも多々ある。また、教則本には載っているけど、実際に体を動かすなりしてしっかりとやってないからイマイチ理解してないってこともありますね。
文/山口卓也、写真/写真AC
■トラブル時に高速道路でやむを得ず停車しないといけない時の注意点
そもそも高速道路上での停車は道路交通法で禁止されている。しかし、事故や故障でやむを得ず停車しないといけない時、あなたは正しい手順を踏むことができるだろうか?
正しい手順
1.ハザードランプを点滅させてクルマを路肩などの安全な場所に停める
2.同乗者がいる場合はガードレールの外側に、さらに自車より後方など安全な場所に避難させる
3.自車の50m以上後方に三角停止表示板を置き、その手前に発煙筒を置く
(三角停止表示板などの停止表示器材の車載は必須となっている)
4.運転者自身もガードレールの外側、さらに自車より後方に避難する
5.安全を確保しつつ、非常電話または携帯電話で救援依頼をする
このような手順だが、まずは自車に停止表示器材は積んであるか? 避難場所はガードレールの外側かつ自車より後方か? は重要ポイント。
道路交通法では、停止表示器材を積まずに高速道路を走行しても違反とはならないが、停止時の表示義務はある。
かなり矛盾していると思うが、万が一のことを考えれば必ず積んでおくべきだ。表示せずに停止していると表示違反となり、違反点数1点+普通車で反則金6000円となる。
また、ガードレールの外側かつ“自車より後方に避難”することも重要。ガードレールの外側ではあるが自車の前方に避難していると、停止している自車が追突された時に事故の巻き添えとなることが考えられ、実際に悲惨な事故は起きている。
高速道路上でこのような教習を行うことは非常に難しいため手順のみを習うだろうが、どの手順も絶対に間違ってはならないことは理解できるはず。
■信号機のない横断歩道に歩行者がいる時は必ず停止すること
「信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場合、クルマは必ず一時停止しなければならない」ことは多くのドライバーが知っているはず。
しかし、2023年8〜9月にJAFが全国の一時停止率を調査したところ、全国平均は45.1%だった。かつてと比べるとずいぶん減った! といえるが、それでも約55%ものドライバーが一時停止していないという事実! ここ数年、この“横断歩行者等妨害等違反”でキップを切られる人は激増しているというのに……。
ちなみにこれに違反すると、違反点数2点+普通車で反則金9000円である。
教習中、歩行者がいるのに一時停止しないで横断歩道を進むと一発でアウト! なので、しっかり教わっているはずなのにいつから忘れてしまったのだろう。
「一時停止は知ってたけど、急に横断歩道が見えたので停止できなかった」というなら、横断歩道の手前おおむね50mと30mにある菱形の“ダイヤマーク”の意味、“歩行者優先”もあわせてしっかり教えるべきだろう。
この意外と知らない人だらけのダイヤマークは、この先に横断歩道または自転車横断帯があることを示しており、運転中にこれを見たら「この先にある!」と思って必ず速度を抑えてほしい。
コメント
コメントの使い方とても良い記事であり、大切な事です。
習ってない事はなく、そもそも講師が全部網羅してなくとも、教科書を隅々まで読み込み覚えるのが、鉄の凶器を運転する最低限の責任です。
それをしてないのは言語道断ですが、人間ですからうっかり忘れることもあります。それを予防していくには、こういった記事が有益です