■中国車&韓国車は右ハンドルでも右ウインカー
ではなぜ日本車は右ハンドル/右ウインカーで、輸入車の右ハンドル車は、ウインカーレバーの位置が左なのか? 筆者は仕事柄、日本車から輸入車に乗り換えることが多いが、たまに日本車から右ハンドルの輸入車に乗り換えた時に、間違えて右側にあるワイパーレバーを動かしてしまうことが多々あった。
「どうせ、輸入車メーカーは日本に正規販売する際、お金をかけたくないから、左ウインカー、右ワイパーの左ハンドル仕様の部品をそのまま使っているんでしょ」と思う人もいるだろう。
実は日本車は、JIS(日本工業規格)により、ウインカーは右、ワイパーは左と決められている。日本仕様以外の日本車と輸入車はISO(国際標準化機構)でウインカーが左、ワイパーが右と決められているのだった。だから輸入車メーカーは、国際的な規格であるISO規格に合わせて右ハンドル/左ウインカーとしているのだ。
右ハンドルは左側通行となるが、右ハンドル/左ウインカーを採用する代表的な国は、日本のほかイギリスやオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカと周辺諸国、インド、そしてマレーシア、インドネシアなどの東南アジア各国。
ちなみに、オーストラリアや香港などは左ハンドル車を禁止しており、イギリスに関しては左ハンドル車の保険料を高く設定。
日本では左ハンドル車を禁止していないものの、国交省が輸入車メーカーに対して右ハンドル車を販売するように指導している。
そんななか、中国メーカーのBYDと、韓国メーカーのヒョンデが、それぞれ正規輸入する右ハンドルの日本仕様のウインカーレバーをわざわざ右側にしてきた。
BYDはATTO3、ドルフィン、そして2024年春に導入されるシール、ヒョンデはアイオニック5、コナ、ネッソのいずれも右ハンドル/右ウインカーだ。BYDとヒョンデの日本市場にかける意気込み、本気が感じられる。
今後、輸入車メーカーの右ハンドル車が右ウインカーになる可能性はコスト面を考えると極めて低い。人間工学的にも左側通行/右ハンドル/左ウインカーは理にかなっており、MTの場合は右ハンドルで左ウインカー、左シフトは実に煩わしい。
この先、輸入車メーカーもBYDやヒョンデに倣って右ハンドルの日本仕様は右ウインカーにしてもらいたいものだ。
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