2024年1月12日から14日までの3日間開催された、東京オートサロン2024。その日産ブースに、2022年12月に国内販売が終了となった日産「マーチ(K13型)」の姿があった。「MARCH Patissier CONCEPT」というコンセプトカーだ。はたしてこのコンセプトカーの狙いとは何か、そしてなぜマーチを採用したのか、また将来的に商品化するつもりはあるのか!?? 日産の担当者に話を伺った。
文:吉川賢一
写真:NISSAN、エムスリープロダクション
昨年の「キューブ」に続く、中古車プロジェクトの第2弾
日産は、前回の東京オートサロン2023でも、生産終了となったモデル(Z12キューブ)の中古車を使ったコンセプトカー「CUBE Refreshed & Retro CONCEPT」を出展している。今回の「MARCH Patissier CONCEPT」はその日産中古車プロジェクトの第2弾だ。
今回、日産自動車グローバルアフターセールス商品開発&エンジニアリング事業本部コンバージョン&アクセサリー企画部の岩片優樹氏に話を伺ったところ、前回のキューブ同様に、今回も中古のマーチを購入してくるところからスタートしたという。購入後は、くたびれたパーツや汚れを落とすため、分解整備とボディ磨きなどを行い、交換できるパーツは入れ替えるなどでリフレッシュさせたそう。そのうえで100箇所以上をカスタムしているという。
今回は「パティシエが使うクルマ」がテーマ。実際に、徳島県で菓子店を営む若手のパティシエに意見をもらいながら、コンセプトカーのデザインへ落とし込んでいったそうだ。
「このグリルのデザインはチョコレートをイメージしていて、3Dプリンタで制作しています。ピスタチオのような優しいグリーンや木目調のデザインは、実際の店舗をオマージュして、そのカラーリングに近いものへと仕上げていきました。またサイドミラーやシートカバーなどに入れた、ゴールドやホワイトといった差し色も、実際の店舗でよく使われていたカラーを元に塗装しています。運転中も楽しめるように、との想いから採用しました。」(岩片氏)。
外装にも手が加えられており、後席のサイドウインドウには、なんと黒板がはめ込まれている。窓と同じかたちになっており、パティシエがマルシェで移動販売をする際に、メニューを書き込んで看板として使うことを想定しているそうだ。マグネットでくっつく、取り外しできるもので、走行時は取り外すことが前提というが、K13マーチの特徴でもある丸いリアウインドウを活かしたナイスアイディアだ。後席シートは取り外され、そこにはシュークリームならば100個は入るという冷蔵庫が設置されている。日産「リーフ」の中古バッテリーを再生してつくったポータブル電源で駆動させているそうだ。
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