物価高の今、少しでも節約する為に自動車保険の見直しをする人も多いと思います。しかし重要な対人補償と対物補償はケチったらアカン!! 事故被害を甘く見ると、痛い目を見るかもしれんぞ……という事で今回は自動車保険を安易に安くするのは危険な理由をご紹介しよう。
文/佐々木 亘、写真:Adobe Stock(トップ画像=umaruchan4678@Adobe Stock)
■物損事故は壊れた「モノ」を全て直すのが基本
物損事故では、被害を受けた物理的な物を直すだけでなく、相手が被害を受けたさまざまな「モノ」に対する補償が求められます。
例えば、相手方の車など、財産に与えた損害に対しては、その物を修繕・交換するための補償と同時に、物が使えなくなった場合に生じる損害までを補填する必要があるのです。
車が使えなくなれば、代わりの車を借りる費用、つまり代車費用も補償しなければなりません。
さらに、店舗や公共物を破損した場合は、店舗の休業補償や働く方たちの補償。
公共の交通網を乱したことによる損害などでは、莫大な補償をしなければならないケースもあるのです。
■お店に突っ込む事故で億単位の賠償もありうる
物損事故による高額賠償の判例は、いくつもあります。
中でも大型トラックが多重事故の結果パチンコ店に飛び込んだ事故では、事故の原因とされた乗用車のドライバーに1億3000万円を超える損害賠償が請求され、同額で判決に至りました。
また、アクセルとブレーキの踏み間違いでペットショップに乗用車が突っ込んだ事故では、2,100万円を超える賠償が言い渡されました。
この中には、ペットショップ自体の破損だけではなく、修繕までの4ヶ月間、休業させてしまったことによる売り上げや人件費、売れなくなったペットの補償なども含まれます。
さらに、信号機やガードレール、高速道路のゲート、電車やバスなど公共の物に損害を与えた場合も同様です。
公共物の本体は高額であることに加えて、修繕費やそれに伴う人件費などを合わせると、補償額は非常に高額になります。
このように、物損事故で請求される賠償額は、場合によっては想像を大きく超える金額になるのです。
中途半端な対物保険の補償額では、保険が保険の役割を果たさない可能性も出てきます。
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