ベストカー本誌で30年も続いている超人気連載「テリー伊藤のお笑い自動車研究所」。過去の記事を不定期で掲載していきます。今回はスズキ 4代目スイフトスポーツ(2017年-)試乗です!(本稿は「ベストカー」2018年4月10日号に掲載した記事の再録版となります)
PHOTO/西尾タクト
■コンビニのロールケーキや原宿の焼肉食べ放題のようなカジュアルさ
結論からいうと、スイフトスポーツお見事です!
目が痛くなるほどまぶしい黄色のボディカラー。こんなに黄色いクルマは久しぶり!
私は、まずこれだけで気分が上がる特異体質だが、もちろん、それだけが「お見事」の理由ではない。どこがすばらしいのか、これからじっくりと説明していきたいと思う。
スイフトスポーツに乗っていると、コンビニのスイーツを思い出す。安くて美味しいのはもちろん、名店のスイーツにはない「軽さ」が魅力なのだ。
先日、近所のパン屋さんが店を閉めた。近くにできたコンビニにお客を取られ、やっていけなくなったからだという。ドーナツが美味しい店だっただけに残念なのだが、多くの人がコンビニで買い物を済ませる気持ちもわかるのだ。
私も時々コンビニでドーナツを買う。最初は「しっとり感がないな」と思っていても、半年も経つと改善されているということがよくある。
恐らく、私と同じような感想を持つ人がたくさんいて、その意見が会社に伝わり、すぐに味を変えてくるのだろう。人も資金も豊富な大企業だからこそできるワザで、町のパン屋さんでは太刀打ちできない現実がある。
もうひとつ、スイフトスポーツに乗っていると、うちの会社の若手社員と行った原宿の焼肉屋さんも思い出す。原宿という一等地にありながら、2500円で焼肉が食べ放題。食後にはアイスクリームなども出て、それがまたすべて美味しいのだ。
そんな店だから人気があって、入るのに30分ほど並んで待たなければならないのだが、好きな映画が始まる前のワクワク感のようなものなのだろうか、うちの社員たちはその待っている時間も楽しそうなのだ。
コンビニスイーツと焼肉食べ放題に共通しているもの。それは「軽さ」だ。高級な店にはないカジュアルな感覚に若い人たちは惹かれる。そして、それこそがスイフトスポーツが持つ最大の長所だと思うのだ。
走らせると本当に軽い。この場合の「軽い」は物理的に感じる軽さで、1トンを切る車重に1.4Lターボエンジン(140ps/23.4kgm)が組み合わさって、まさしく軽々と走ってくれる。
この感覚は初代、2代目あたりのシビックタイプRに似ている。スポーティで気持ちがいい。
昔はこういうFFハッチバックのスポーティカーがたくさんあったものだが、今は本当に少なくなった。
トヨタのGRや日産のNISMOのようなシリーズもあるが、値段が高いし、なんか大げさだ。
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