スズキはユーザーのニーズを完璧にわかっている!! 4代目スイフトスポーツ試乗【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】

■「できるけどやらない」健康的なクルマ

ホイールベース2450mmで3ナンバーになったが、車重は970kg(6MT)と軽量。トランスミッションは6MTと6ATを設定している。今回試乗した安全装備満載のグレードでも価格は200万円を切っており、スタートプライスは183万6000円(標準6MT)とリーズナブル
ホイールベース2450mmで3ナンバーになったが、車重は970kg(6MT)と軽量。トランスミッションは6MTと6ATを設定している。今回試乗した安全装備満載のグレードでも価格は200万円を切っており、スタートプライスは183万6000円(標準6MT)とリーズナブル

 スイフトスポーツは4世代、18年の歴史を持つ。それだけでも立派なものだが、編集担当によると、前身のカルタスGT-iまで含めると、その歴史は30年以上になるという。

 みんな途中で店を畳み、若者向けのスポーツモデルをないがしろにするというのにスズキは継続する。その姿勢は立派というしかない。

 スイフトスポーツはひとり荒野を走っているようなものだ。そうすると普通は天狗になったり偉そうになって、カラオケではほかにお客さんがいるにもかかわらず、ひとりで5曲くらい続けて歌うような人になってしまいがちだ。

 しかし、スイフトスポーツにはそういう感じがない。1曲歌ったらちゃんとマイクを次の人に渡し、ニコニコしている雰囲気がある。GT-Rだったら閉店まで歌い続けているだろう。

 また、カラオケは別として、86/BRZも何かを突き詰めようとしている「重さ」を感じる。スイフトスポーツのようなコンビニ感覚の「軽さ」はない。

 コンビニのスイーツとか焼肉食べ放題とか、ちゃんと次の客にマイクを渡すカラオケなどといっていると、ぜんぜんスイフトスポーツを誉めていないように思えるかもしれないが、そうじゃない。スズキはスイフトスポーツに対するユーザーのニーズが完璧にわかっているといいたいのだ。

 スイフトスポーツが好きな人は、コンビニの160円くらいのロールケーキでどれだけ美味しいかが重要で、有名な店の2000円のロールケーキを求めているわけではない。それをスズキはわかっている。

 こういうクルマ作りをひと言で表わすなら「健康的」となる。

 200万円を切る価格で自動ブレーキをはじめとする先進安全機能がすべて付き、走りは軽く爽快で、パワーもあって内外装の質感も充分満足できる。

 そしてここが肝心なのだが、恐らくスズキは、あえてそれ以上の性能や質感を求めず、寸止めしているのが「健康的なクルマ」と感じられるポイントなのだ。

 できるのにやらない。スイフトスポーツはすごくいい立ち位置にいるクルマだと思う。

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

【画像ギャラリー】新型登場は今夏……!? テリーさん4代目スイフトスポーツ試乗の様子をギャラリーでチェック!!(8枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…