■世界に誇るジャパニーズ・スーパーカー【NSX】
ホンダの60年を語るうえで外せないのが、日本初のスーパーカーとして誕生した初代NSX。もとは1989年のシカゴオートショーで公開された「アキュラNS-X」だが、1990年9月に「NSX」と名を変えて市販された。
「世界第一級のスポーツカー」を目指して開発されたNSXは、運動性能に多くのメリットをもたらすミドシップレイアウトを軸に、量産車として世界初のオールアルミ・モノコックボディを採用。サスペンションをはじめとする細部にもアルミ合金を多用し、理想的な前後重量配分と大幅な軽量化を実現した。
エンジンは、絶対的なパワーよりも出力と重量のバランスを考慮し、自然吸気3LV6のC30Aを搭載。独創のVTEC機構や、新開発の共鳴チャンバー容量切り替えインテークマニホールドシステム、チタン製コンロッドなどの採用により、谷間のないパワーフィールと圧倒的なレスポンスを手に入れたのだ。
800万円(デビュー時)という当時の国産車最高プライスや、タイプRの投入、マイナーチェンジでの大幅なリファインなど、常に話題を振りまいたNSX。生産終了から20年近く経った今でも、その魅力は失われていない。
■ワンボックスとセダンのいいトコ取りで生まれたニューカマー【オデッセイ】
日本のミニバンブームの火付け役となったのは初代エスティマだが、それに続けとばかりにホンダが1994年に送り込んだのが初代オデッセイだった。
目指したのは「大勢で乗れて、楽しく移動ができるクルマ」。つまり、ワンボックスカーの広い室内空間とセダンの快適さや走行性能を合わせ持つ、乗用車感覚のミニバンということ。
これを具現化したのが、アコードから流用したプラットフォームだ。フロントエンジンレイアウトのため低床化することができ、低全高ながらゆとりの室内高を確保。さらに、センターウォークスルーやフラットフロアなどを可能にし、安定感のある快適な走りも実現した。
低床・低全高スタイリングは、この他にも大きなメリットを生み出した。セダンと同じような感覚で運転することができ、優れた乗降性も実現。さらに、前面投影面積が小さいため空力特性に優れ、風切り音の抑制とともに、燃費性能向上にも大きく貢献したのである。
ちなみに、ポップアップルーフのフィールドデッキや3LV6エンジンを搭載したプレステージも後に投入。アウトドア派のユーザーや上級志向のユーザーにも訴求するラインナップを作り上げた。
■Sの遺伝子を受け継いだFRオープンスポーツ【S2000】
「Sシリーズ」といえば、旧車ファンでなくとも一度は耳にしたことがあるだろう、ホンダのレジェンド的スポーツカー。そんな伝統ある名を与えられたのが1999年に登場したS2000だ。
ホンダの創立50周年を記念して開発されたS2000は、同社が考える「新世代のリアルオープンスポーツ」を具現化したモデル。
ホンダとしてはS800以来、29年ぶりのFRレイアウトを採用し、オープンボディながらクローズドボディと同等の重量と剛性を実現。これを可能にしたのが、新開発オープンボディ骨格構造の「ハイXボーンフレーム」だ。
優れたシャシーには、新開発のF20Cを搭載。珠玉のVTEC機構を用い、2Lながら最高出力250ps、最大回転数9000rpmと、レーシングエンジン並みのスペックを誇る。ミッションも、世界トップレベルのショートストロークとダイレクト感を達成した新開発の6MTである。
その走りはまさにリアルスポーツで、国内外で高い評価を獲得。熱いスポーツスピリットが感じられながら、世界最高水準の環境・安全性能も備える「21世紀に向けた新しいホンダのシンボル」なのだ。
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