いきなりではあるが、筆者はインパネシフト好き。筆者の自宅駐車場の関係で「助手席ドアから乗って」クルマを動かすゆえ、インパネシフトなら足元快適に助手席側から運転席へ移動でき、かなり便利。しかし、人気カテゴリーのSUVでインパネシフトモデルを探してもない、ない、ない……。あった~!! スズキのクロスビー。現行国産(登録車)SUVのなかで唯一のインパネシフト採用! それだけでもこのクルマの存在意義は高いと、ここで伝えたいのです。
文・写真:ベストカーWeb編集部/写真:スズキ、ホンダ
■全長3760mmという小さなSUVという独自路線が吉!
次々と新モデルが投入されるSUVカテゴリーは、まさに時代の花形。しかしその一方で、ともすれば忘れ去られそうなモデルもある。そう、クロスビーだ。
2017年登場だから無理もないが、登場したての頃は「少し大きくなったハスラー」などと言われもした。が、今でも売れゆきは堅調。月販数は毎月2000台ほどを維持し、スズキ登録車の主軸の一台になっているのですよ!
堅実に売れている要因はまずデザイン。「少し大きくなったハスラー」という言葉、実はハマっていて大ヒットのハスラー似にしたデザインがニーズに合致。これほど立ったAピラーはほかの登録車で見ないし、運転もしやすい!
次に5ナンバーサイズ枠を目一杯使っていない、小さめサイズも好調の要因だろう。小さな国産SUVの代表格、ロッキー/ライズよりひと回り小さい全長3760×全幅1670mm。確かに小さめだ。
ロッキー/ライズほどのサイズになぜしないのかと思うが、「地方部の狭い道や農道でクルマ同士がすれ違う時、より小さな登録車がいい。そういうお客様の声に応えていることもあります」とスズキ側のコメント。ふむ、なるほど。
そして、最高出力99psながら、1L、マイルドハイブリッドターボは想像以上によく走る。これもクロスビーの魅力だ。
■「ウォークスルーの利便性を取り入れているクルマです」
クロスビーが堅調に売れている背景を前項で述べたが、話の根幹部分はここから。インパネシフトの出番だ。
シフトの位置がフロアシフトより目線に近いので使い勝手がいい。さらに、前席中央の足元部分にスペースができるので、運転席と助手席の移動が快適でスムーズ。インパネシフトの大きな利点がこの2つだろう。
だから、使い勝手を求めるミニバンや軽自動車などでインパネシフトが採用されているのも納得だが、それが唯一、現行国産SUVに採用されているのがクロスビー。やはり、これは放っておけないぜ、クロスビー。
インパネシフト採用になった開発時の狙いなどを、スズキ広報部へ直撃するしかない!
「弊社では各モデルのコンセプトに合わせてシフト位置を決めています。クロスビーは『室内の広いワゴンとSUVのクロスオーバー』が商品コンセプトで、広い居住空間と使い勝手のよさが特徴。そのため、足元の広さの確保やウォークスルーの利便性、インパネデザインなどを考慮して、インパネシフトを採用しています」とスズキ広報。
なるほど~。つまり、室内空間も前席の足元も広くし、前席の左右移動をしやすくし、インパネデザインとしても映える……という狙いのためにインパネシフトを採用している、というワケ。クロスビーにインパネシフトが備わったのは、(もちろん)偶然ではなく「必然」だったのですよ!
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