2018年の日本国内の新車総販売台数は527万2067台。そのうち軽自動車は192万4124台と約36.5%を占めている。軽自動車はスズキアルトやダイハツミライースの定番の5ドアハッチバックからスズキジムニーのようなSUVまで様々なボディタイプが設定されている。
その軽自動車の中で、現在最も人気が高いのが「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるモデルで、このカテゴリーで現在王者として長く君臨しているのがホンダN-BOXである。
今回はそんな、N-BOXの中古車相場価格と狙い目グレードを、中古車に詳しいジャーナリスト、萩原文博氏に解説していただいた。
文:萩原文博
■王座に君臨し続けるホンダN-BOX
2019年5月の軽乗用車販売台数を見てみると、N-BOX(N-BOXスラッシュを含む)の販売台数は2万2231台でトップ。2位が1万3391台のスズキスペーシア、3位が1万1883台で日産デイズ(ルークスを含む)、そして4位が間もなくモデルチェンジを行う予定のダイハツタントと軽スーパーハイトワゴンが軽乗用車の販売台数の上位を独占しているのである。
日産デイズはデイズとルークスの合算なので、ダイハツタントのほうが実際には販売台数が多いと考えられるが、N-BOXは派生モデルであるN-BOXスラッシュの台数を引いたところで、その牙城はビクともしないだろう。
N-BOXのスゴイところは2011年~2017年に販売されていた先代N-BOXのモデル末期となる2016年度(2016年4月~2017年3月)の年間販売台数でもトップを飾ったことだ。通常のクルマは登場したときの販売台数がピークで、その後は右肩下がりとなり、マイナーチェンジや一部改良で一時的に盛り返すものの、年が進むに連れて減っていくものだ。しかし、先代N-BOXはモデル末期となっても後から登場したタントやデイズルークスを抑えて、トップに君臨し続けたベストセラーいやまさに軽自動車の帝王といえるモデルなのだ。ここでは軽自動車の帝王と言える先代N-BOXが中古車市場でも最強なのか? チェックしてみたい。
■先代N-BOXの在庫数はライバルと比べても圧倒的
2011年 ~2017年に販売されていた先代N-BOXの中古車は現在、約6050台流通している。2013年に登場した現行型のタントが約4860台、2014年に登場した現行型デイズルークスが約3020台。そして2013年~2017年まで販売されていた先代スペーシアが約1930台と新車の販売台数に比例するかのように先代N-BOXの中古車の流通台数はライバル車を圧倒している。
ちなみに、2017年に登場した現行型N-BOXは登場してからまだ約2年と短い期間にもかかわらず、約1770台の中古車が流通しており良品が多く流通しているといえる。
平均相場の推移を見てみると、先代のN-BOXは3カ月前が約107万円で今月は約104万円と順調な値落ち。軽自動車の中古車はなかなか値落ちが進まないので、平均で3万円は大きな値落ちといえ注目のポイントだ。同様にライバルの値落ちを見てみると、モデルチェンジを行っている先代のスペーシアは3カ月間が約99万円で今月は約93万円と6万円の値落ち。新車も購入することができる現行型のタントは3カ月前が約129万円で今月は約126万円と3万円の値落ち、そして同じく現行型のデイズルークスは3カ月前が約115万円で今月は約110万円と5万円の値落ちを示している。
一般的にはフルモデルチェンジを行うと先代モデルは値崩れを起こして、どんどんと値落ちが進むものだ。
しかし先代のN-BOXはまだ新車を購入できるタントと同じ3万円の値落ちに留まっていることからも人気の高さが証明されている。タントのパノラマオープンドアも魅力だが、軽スーパーハイトワゴンの中古車では人気、実力を兼ね備えたN-BOXがオススメだ。
先代N-BOXの中古車の価格帯は約14万~約178万円幅広いが、予算50万円で走行距離約5万kmという物件が簡単に見つけることができる。流通台数が多いグレードは標準系はG Lパッケージで、カスタム系はカスタム G Lパッケージ。モデル末期に設定された特別仕様車のSSパッケージも多く流通している。
さらに、現行型N-BOXの平均価格の推移を見てみると、さすがに3カ月前は155万円そして今月も155万円と横這いとなっており、先代と現行型N-BOXの中古車の平均相場は約50万円差となっている。
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