SUVオーナーたるもの、冬のシーズンは雪道をガンガン走りたいと思っている人が多いはず。そこで気になったのが「オープンカントリー」でSUVユーザーのハートを掴んでいるトーヨータイヤ。SUV専用スタッドレスタイヤ「オブザーブ GSi-6」を再再販ランドクルーザー70に履かせて試してきたぞ!!!
文/ベストカーWeb編集部、写真/小林岳夫
■あえて選ぶ「その他」の選択肢
正直な話をすればスタッドレスタイヤを選ぶときに想定するメーカーはなんとなくぼんやり浮かぶ。今回自分で新車としてランクル70を購入し、スタッドレスタイヤを選ぶときにあえて「他の選択肢」を探してみた。
そこで目についたのがトーヨータイヤのSUV専用スタッドレスタイヤ「オブザーブGSi-6」。トーヨーといえばオープンカントリーが絶好調だが、実はスタッドレスの歴史も長い。胡桃(くるみ)の殻を配合しているイメージを持っている人も多いと思うが、これは最新モデルでも継続中。
私が選んだオブザーブGSi-6についてもシリカやカーボンパウダーに加えて鬼クルミ殻を配合しており、やっぱりそのこだわりはトーヨーらしい。とはいえ蘊蓄はそこそこに、やっぱりスタッドレスはその安心感が大切。
今回は冬の東北をブラリとしてきたのでお届けしよう。
■ドライでぐにゃぐにゃしないのか?
とにもかくにも実走あるのみ! しかし圧倒的な暖冬のおかげで都心から青森の800kmの東北道はすべてドライ路面。この手の大きなスタッドレスタイヤの悩みのひとつにドライでの妙なフィーリングがある。グニャーっとしなるサイドウォール、そして轟音をあげるロードノイズ。120km/h区間もある東北道だからそのあたりのドライ性能も大切だ。
埼玉を抜け、栃木、福島と道のりを続ける。まったくと言っていいほどノイズが気にならない。再再販のランクル70はその静粛性向上も話題になっているが、クルマの完成度を阻害するようなノイズは感じない。お世辞抜きに静か。
120km/hの追い越しレーンチェンジでもリアが振られるような「おつり」も感じず、ピタッとクルマの向きが変わる。もちろんサマータイヤと比べれば曖昧さは出てくるがスタッドレスタイヤとしては十二分な性能だ。
■トーヨーのスタッドレスが効かないってマジなの?
巷ではトーヨーのスタッドレスはダメ、という声をよく聞く。担当が個人的に北海道や東北で試した経験からいうと「効かない」というのはやや語弊があるようにも思える。もちろん使用環境によることもあるが、現代の基準できちんとスタッドレスタイヤとして通用するレベルにあるのはたしかだ。
ただ今回のGSi-6については初使用。しかも2.3tのヘビークロカンであるランクル70はやや荷が重いんじゃないかと思ったのは事実だ。800kmの自走を経て目的地の青森県の豪雪地帯である酸ヶ湯に到着した際には、すっかり日は沈んでいた。積雪こそ少なかったが路面はガリガリのアイスバーン。
2.3tの車重でそろりそろりと急坂を登る。時折ズルズルっと車体が流れるシーンはあったものの、そのスライドは段階的にやってくるもので急にブレイクするものではないから安心感は高い。一晩たち青森市街は晴れ。路面もアスファルトが見えており、まったくもってスタッドレスタイヤのテストという実感はない。
少し山間部に走り除雪が入っていない県道に到達。膝くらいまでの積雪を掻き分けランクル70が進む。さすがにトランスファーを4Lに投入。スタッドレスタイヤは冬の道はどんな状況でも安心感が高いと思いがちだが、一般的には新雪やシャーベット状の雪道はそんなに得意としない。
夜間の冷気もあり路盤の表面は固められているものの、荷重をかけるとズンズンとタイヤが雪に埋もれていく。少し進んでは15cmくらい沈み込むようなイメージだ。
GSi-6も物理法則にはもちろん逆らえないが、ある一定の沈み込みからトレッドが雪をしっかり掻き出していく様子が伝わってきた。前方でスタックしたジムニーを救援するシーンにも遭遇したが、ランクル70のトラクションは抜群。
ウェット路面を含めてひと通りのテストをこなしたが際立った弱点はない。特に水分の多い本州の雪ではおすすめのスタッドレスタイヤといえる。
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