最新マイバッハを使用し経済制裁の無力をアピールする金正恩総書記
北朝鮮の金正恩総書記をはじめとする党幹部らの高級車導入ぶりが止まらない。金正恩総書記は昨年12月頃よりメルセデスベンツマイバッハS650(W222)を使用しているところが朝鮮中央放送などにより確認できた。ドアの開閉映像から防弾仕様であることは明らかだ。
また、娘のキム・ジュエとミサイル総局を訪問した際は国章入りのマイバッハS650プルマン(W222)を使用。また国章の異なる別のプルマンを使用している映像もあり、最低でも2台は保有しているようだ。他にもマイバッハGLS600から降車する映像もあり、複数のマイバッハを愛用している。
これとは別に2022年3月頃にはSクラス(W222)に乗っている姿も確認できている。また、W222の別グレードの防弾仕様車が2台、2018年1月に平壌で撮影された画像も存在する。それまで金正恩はマイバッハ62・62SとS600プルマン(W221)を愛用しており、W221プルマンやマイバッハ62Sには国章などを配したモデルもある。この2車種だけでも複数台保有しており、外遊の際にも訪問国へ持ち込んでいることが確認されている。S600プルマンの初期導入車は父親の金正日前総書記も晩年の2011年頃に使用していた。他にもレクサスLX570のハンドルを自ら握り洪水被災地の視察を行った映像もあり、カーマニアともいわれる将軍様の高級車ラインナップはまだまだ増えそうだ。
こうした西側の高級車を専用車として使用することで、西側諸国による経済制裁など意に介さない姿勢をアピールする狙いもあるのだろう。
将軍様は次々と最新車を導入し、警備体制も最新化されている
W221型S600プルマンは北朝鮮の首相が使用している映像が昨年12月の党会議で放送されており、他の幹部もW221やW222の防弾仕様車を自ら運転して登場する場面もあった。しかしこれらの車両は元から党幹部のものではなく、将軍様からお下がりを受けた可能性が高い。
党幹部らが乗る車にはフロントグリル付近に小さな赤いエンブレムのようなものがあり、夜間光っている映像もあることから識別灯の役割を担っているようだ。これは2018年に韓国で制作された映画「工作 黒金星と呼ばれた男」の劇中でも、北朝鮮に潜入し活動する主人公が北朝鮮側に用意されたメルセデスベンツ(W126)に乗り込む際にも再現されていた。
一方、金正恩総書記が乗る数々の専用車には先述した装備の他にフロントグリル内にパトカーに備わっている前面警光灯のような灯火と、ダッシュボート上には赤く発光するLED灯が装備されており、1号同志(最高指導者の意)の専用車という識別を行っているようだ。また、専用車や党幹部の車両には車体右側フロントフェンダーには短い無線アンテナのようなものも装備している。
金正恩総書記などの警護を担当する護衛司令部が車列警護を行う際はランクルやレクサス、日産パトロール(Y62)を使用している映像もあり、警護車はSUVで統一されている。昨年12月の映像では、警護のランクルなどの赤青灯が点滅した状態で走行しており、それまで装備されていなかったとされるフラッシャー類が光っていた。このあたりは西側の警護体制と遜色ないような雰囲気に近づいている様子だ。
今回プレゼントされたアウルスをはじめ、金正恩総書記が使用する数々の高級車はすべて国連制裁決議対象のものばかりだ。将軍様のワガママにより飢餓等で苦しむ国民があまりにも気の毒でならない。
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