暴力的なまでの加速感がヤバかった!! かっとび王列伝! 「どっかんターボ」の魅力再考

■本場のどっかんはスゴかった? 海外のどっかんターボ車

かっとび王列伝! どっかんターボの魅力再考
ポルシェ911(930型)ターボ。日本国内では930ターボの名のほうが有名で、1970年代国内スーパーカーブームの主役の1台。ポルシェの技術力をもってしても、どっかんな特性は消しきれなかった

■ポルシェ911(930)ターボ

 ドイツのポルシェは早期からターボチャージドエンジンの開発に取り組み、1974年には自社の主力シリーズ、911にターボを装着した911ターボをデビューさせている。

 正式名称は911ターボだが、車体の型式が930型のため、当時から930ターボと呼ばれることが多かったこのモデル、伝統の3L水平対向6気筒エンジンにターボを装着して260psを発生させた。

 ポルシェのターボエンジン技術はモータースポーツで磨かれたもので、信頼性も高かったが、それでもどっかん特性であり、リアエンジン特有のピーキーな挙動にハイパワーどっかんターボの組み合わせは乗り手を選んだ。

■BMW 2002ターボ

 ターボチャージャーの技術はもともと航空機用エンジンで発展したものだったが、航空機に比べて回転数の変動幅が大きいクルマ用エンジンでターボをうまく制御するのは至難の技といえた。

 そんな航空機用エンジンメーカーにルーツを持つドイツのBMWが、1973年にリリースした世界初のターボ付き市販車が2002ターボ。

 2L直4エンジンにターボチャージャーを装着し、その最高出力は170ps。4ドアボディながら車重は1060kgと軽く、まだまだ粗削りだったターボ制御技術とあいまって、操縦性は紛うことなくどっかんだった。

■ランチア デルタHFインテグラーレ 8V

 最後に登場してもらうのはイタリアのどっかんターボ車だ。1970~1990年代にラリーで活躍したランチアでは、1987年から世界ラリー選手権(WRC)で6年連続マニュファクチャーズタイトルを獲得している。

 そのタイトル獲得マシンがランチア デルタシリーズだった。デルタHFインテグラーレ8Vは1988年に登場した公道用モデルであり、FFのデルタを4WDに変更したDOHCターボ仕様。

 WRCの公認取得用モデルだけにエンジン出力も185psとパワフル。そしてターボチャージャーが作動した際のどっかんぶりでも話題になった。

 インテグラーレ8Vは登場の翌1989年に16Vへと進化。最高出力は210psに引き上げられたものの、ターボのチューニングも進んでどっかん特性はかなり緩和された。

 今回紹介したどっかんターボ車は、いずれも1900年代後半のモデルである。ターボの技術が進歩した現在では、こうしたどっかん特性のクルマはほとんど存在していない。

 安全性やエコの点から考えるとターボ車の非どっかん化は歓迎すべきことだが、爆発的なパワーがいきなり発生するどっかんターボにも独特の味わいはあった。

【画像ギャラリー】どっか~んなターボが最高だったクルマたち(15枚)画像ギャラリー

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