ホンダの大黒柱「フリード」の新型が成功するには!? ライバルのシエンタにはない武器ってなによ??

ホンダの大黒柱「フリード」の新型が成功するには!? ライバルのシエンタにはない武器ってなによ??

 ホンダのドル箱ミニバンであるフリード。現行型は2016年の登場ともう8年選手というから驚きだ。さて、そんなフリードの新型情報が舞い込んできたわけだが一体どのような進化を遂げているのだろうか? 期待に胸を膨らませて見ていこう。

※本稿は2024年3月のものです
文/小沢コージ、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年4月10日号

■日産&スズキのライバル不在でバカ売れ必須のコンパクトミニバン

ベストカー編集部が作成した次期型ホンダ フリードの予想CG
ベストカー編集部が作成した次期型ホンダ フリードの予想CG

 ここ1~2年話題沸騰! 出る前から成功が約束され、逆に失敗したら「ホンダさん、マジでヤバいっしょ?」と言われかねないのが2024年夏に出るはずの新型3代目フリードだ。

 現行フリードが8年目でフルモデルチェンジ間近なのはもちろん、この全長4mチョイの5ナンバー3列コンパクトミニバンはホンダとトヨタしか作れておらず、日産やスズキらのライバルも不在。

 そもそもここまで引っ張ったのも2023年も平気で月6000~8000台売れていたから。本来とっくにモデルチェンジしていいはずの長すぎるロングセラーなのである。

 というか今のホンダの国内売れ筋はご存知、軽のN-BOXとコンパクトのフィット、ミニバンのステップワゴンとフリードの4車種しかない。それどころか現行世代ではステップワゴンはもちろん王者フィットまで低迷中。

 万が一、ここでフリードが失敗したらホンダはマジでヤバい。正真正銘の「N-BOX一本打法」となってしまうだろう。それこそ一部クルマ好きが本気で危惧する最悪のパターンだったりする。そこで今回、小沢が新型フリードに期待する点であり、「ここ絶対ハズしちゃダメ」なポイントをご教授しよう。

■第一のキモは全長4265mmを死守できるか?

2022年のフルモデルチェンジでは全長を1ミリも変えなかったトヨタ シエンタ
2022年のフルモデルチェンジでは全長を1ミリも変えなかったトヨタ シエンタ

 最大のキモはボディサイズだ。全幅1695mmの5ナンバーサイズはもちろん、全高1.7m前後もイジってはいけない。しかし、ここは普通に守れるので一番のキモは4265mmの全長。ここが最も判断が難しい部分で、当然ここを伸ばせば「狭い」と言われる3列目を広くできるし、いいことづくめ。

 事実、2列シートのフリード+は30mm伸ばして全長4295mm(4WD車は4265mm)だし、アニキ分のステップワゴンは4800mmもあり、ノア/ヴォクシー標準ですら4695mmとまだ先はある。新型フリードは「4.3m(4300mm)超えでもいいっしょ?」と思いがち。

 だが、あの最大の難敵、3代目シエンタは2年前のフルモデルチェンジで全長にビタ一文も手をつけなかった。2代目の4260mmを頑なに守り、それも「現行フリードより3列目のヒザ前空間は狭いのに」手を付けなかった。

 小沢は開発の鈴木啓友エンジニアに「2~3cmくらい伸ばしてもよかったのでは?」と何度も聞いた。しかし、彼は「変えるつもりはまったくありませんでした」と言い切った。「視界、取り回し、小回り、小さなクルマだからこその価値。そういうものが一番大切ですから」というのだ。

■ライバルのシエンタにない武器を死守せよ!

次期型フリードのクロスオーバーモデル、フリードクロスターの予想CG
次期型フリードのクロスオーバーモデル、フリードクロスターの予想CG

 同時に大切なのはフリードならではの武器。具体的には人気のキャプテンシートが現行シエンタでは未採用なフリード最大の武器だし、3列目シートの跳ね上げ収納による低いラゲッジ床も同様。

 また、上質なウッド調パネルやホンダ自慢の上質合皮、プライムスムーズも贅沢に使いたい。現行シエンタも内装はよくなったが、まだまだチープ。「インテリア質感のフリード」の看板は絶対守るべきだ。

 当然ホンダご自慢、現行フリード未搭載の2モーターハイブリッド、1.5Lのe:HEVはフィットより進化させたい。直4エンジンの静粛性を磨きつつ、フィットの123ps&25.8kgmを超えるモーターパワーとWLTC燃費もリッター25kmくらいは行きたい。

次ページは : ■エクステリアデザインに一抹の不安が……

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