■古川はこう見た!
CX-60には1カ月前にも乗って、この時は8速ATの1速と2速あたりでややギクシャクするのが気になったけれど、今回改めてベストカーのある音羽周辺で乗って感じたのは以前から指摘されていた乗り心地の硬さ。
道路工事も多く、そのような荒れた路面では大きな突き上げや横に揺さぶられる動きなどが感じられた。足が全体的に突っ張っているような感じがする。
そんなネガな部分もあるけれど、CX-60のよさはやはり内燃機関らしさが前面に出ているところだと思う。
試乗した3.3L直6ディーゼルターボ車は、ディーゼルならではの音や振動はわりと大きめだけれど、51.0kgmの巨大なトルクによる加速感を含め、その豪快さは魅力的。そしてこの大トルクを後輪で押し出す感覚のFRによる走りもやはりいいですね。
●古川の評価
・パワー感:★★★★★
・ハンドリング:★★★☆☆
・乗り心地:★★☆☆☆
・お買い得感:★★★☆☆
■林はこう見た!
CX-60に触れて感じるいい所は、ボディの剛性感、各部品のコストのかけ具合、内装の使いやすさ&質感といったところですね。3.3Lディーゼルターボも現在の市場では、唯一無二の魅力があると思います。
が、持っている物はいいのに活かし切れていない……というのが試乗しての率直な感想です。ざっくり気になった点を挙げると、
1……1速、2速がローギアードすぎてギクシャクする。
2……キャスター角不足なのか直進安定性が低く、高速道路でふらつく。
3……初期の効きが弱く踏力が必要なブレーキ。
4……リアダンパーの動きが渋いのか路面のうねりで揺さぶられ、段差で跳ねるので、長時間はしんどい。
最上級SUVという位置づけからすると、熟成が必要かと。でもマツダは育てるのが得意なメーカーなので期待しております。
●林の評価
・パワー感:★★★★☆
・ハンドリング:★★★☆☆
・乗り心地:★★☆☆☆
・お買い得感:★★☆☆☆
■赤澤はこう見た!
初めてCX-60に試乗した時、「マニアックなクルマだな」と思ったワケですが、再び試乗してわかったのは、「出る釘が綺麗に打たれちゃっている」ということ。
例えば、搭載される3.3L直6ディーゼルターボは231ps/51.0kgmを絞り出す強心臓ですが、重い車重や緩慢すぎるレスポンスのせいか、いいエンジンだとは感じにくかった。お前の底力こんなもん? とツッコミたくなるような、いたって普通のエンジンのように感じられた。
CX-60って、先述のエンジンに限らずこんな一面がアチコチに目立つ。各コンポーネント単体の作りはいいのに他が足を引っ張るようによさを打ち消している。だから全体で見た時、平凡に感じる。最初乗った時「マニアック」だと思ったのはそういうことだったりします。うーん……。
■結論:全体的に評価は厳しめも、今後の熟成に期待
ちょっと厳しい評価になってしまったCX-60。しかしこれも、よりよくなって欲しいという、編集部員の愛ゆえとご理解いただきたい。2024年4月で国内販売を終了するマツダ6のあとを継ぎ、マツダの最上級車として長く愛されるためには、必要な性能とも言える。
編集部員が気になった乗り心地の部分に関しては、現在マツダ社内で大幅な改善に向けて動いている……という情報も聞こえてきている。
タイミング的には、CX-80が登場するくらいとベストカーでは予想するが、その進化に期待したいところだ。
●マツダ CX-60 XD Lパッケージ(2WD) 主要諸元
・全長:4740mm
・全幅:1890mm
・全高:1685mm
・ホイールベース:2870mm
・車両重量:1840kg
・最小回転半径:5.4m
・最低地上高:180mm
・エンジン:直6DOHC直噴ディーゼルターボ
・総排気量:3283cc
・最高出力:231ps/4000-4200rpm
・最大トルク:51.0kgm/1500-3000rpm
・トランスミッション:8速AT
・サスペンション:F)ダブルウィッシュボーン R)マルチリンク
・タイヤサイズ:235/50R20
・WLTCモード燃費:19.6km/L
・価格:422万4000円
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