クルマ好きのバイブルである、漫画「頭文字D」。パンダトレノことAE86スプリンタートレノを駆る主人公の藤原拓海が公道レーシングチームのプロジェクトDと出会い、格上のクルマをなぎ倒しながら成長していくストーリーは、いまや世界中のクルマ好きから熱く支持されているが、なんとそのパンダトレノの現代版がいま、北米トヨタで販売されているという。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
雰囲気は十分に現代版パンダトレノ!!
北米トヨタで販売されているパンダトレノの現代版というのは、GR86 2024年モデルの「トレノエディション」だ。ベースグレード(29,300ドル)とその上のプレミアム(33,000ドル)、そしてプレミアムの装備を元にしてカスタムしたトレノエディション(34,720ドル)の3つのグレードが用意されている。
トレノエディションのキーワードは「Thrill-seeker’s delight」。直訳すると「スリルを求める人の歓び」だが、まるで頭文字Dのように、夜の峠道が似合うスタイルに仕上げられている。見どころは、ボディサイドに入った2本のブラックラインとボンネットのブラックグラフィック、そして内装の特別装備などだ。
カーボンボンネット風のデカール(もしくは塗装)は、頭文字Dの中盤以降で登場するカスタム仕様のAE86に似せたものだろう。標準モデルではボディ同色塗装のアウタードアハンドルも、オリジナルのトレノと同じくブラックカラーにされているなど芸が細かい。最新のGR86がベースなのに、どことなく昔のAE86を彷彿させる雰囲気があるのは凄いことだと思う。
インテリアにもトレノエディション専用品が多数
専用デカールのほかにも、ブラックメタリックに塗装されたトレノエディション専用ホイールやハイマウントLED付きのグロスブラックのダックテールリアスポイラーなども装着。ちなみにタイヤは、215/40R18サイズのミシュランパイロットスポーツ4を装着している。
インテリアには、専用レザートリムで覆った6速マニュアルシフトレバーとノブ、シフトブーツ、サイドブレーキを装備。フロアマットやラゲッジマットもトレノエディション専用品だ。加えて、GR86トレノエディションの限定生産記念プレートも装着される。
できることならば、当時のAE86と同じように車両下側はブラック塗装したうえで、イエローのPIAAフォグランプも装着し、「FUJIWARA TOFU SHOP」なんてロゴも用意して欲しかったが、この雰囲気でも十分にパンダトレノに寄せた努力が伝わる。ファンであれば心くすぐられる装備が満載だ。
パワートレインは、標準モデルであるGR86と同様に、2.4リッターの水平対向エンジンを搭載した後輪駆動車。エンジンの最高出力は228HP(231PS)、最大トルクは184lb-ft(250Nm)なので、日本仕様のGR86とほぼ同じだ。
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