2019年8月6日、埼玉県加須市でスクーターなどのご当地ナンバープレートを盗んだ疑いで男女が逮捕された。
しかしナンバープレートを盗んだところで元の持ち主はすぐわかるはず。だからナンバープレートを盗んだところで何の意味もないように思える。
しかしよく考えれば自動車の後部ナンバープレートは封印がついているものの、軽自動車や二輪車には封緘がなくプラスドライバーで簡単に外せる構造になっていてかなり無防備なのも事実。
なぜこのようなことが起きているのか? 窃盗犯の本当の狙いと予防策を国沢光宏氏が解説します。
※ナンバープレート画像はイメージです
文:国沢光宏/写真:編集部
ベストカー2019年8月26日号
■盗難される部品の半数はナンバープレート
あまり話題にあがらないものの、ナンバープレートの盗難事案が増えている。直近だと自動車部品盗難の半分はナンバープレートなのだった。
ナンバープレートを盗んでも価値ないと思えるけれど、窃盗グループからすれば重要なアイテムなのであります。
ご存知のとおり今やナンバープレートを撮影する『Nシステム』や、監視カメラが日本中に設置されている。特定の車両を追跡することも可能になった。追跡されたら困るのは、悪いコトする輩たち。
なかでも盗難ナンバーを必要とするのが、リレーアタックの窃盗団です。驚くことにこれだけメディアで報じられてもリレーアタックという盗難方法を認識していないヒトが多い。
そんなことからリレーアタックによる盗難は依然として多いようだ。リレーアタックの窃盗団が一番の問題とするの、盗んだ車両の移動。
盗むのは簡単ながら、走っているとNシステムなどで追いかけられる。しかし盗難ナンバーであれば時間稼ぎが可能。
もう少し具体的に説明しよう。リレーアタックでエンジンかけて走り出したら、すぐフロントのナンバープレートを交換する。
クルマを盗まれた被害者が110番通報し、ナンバープレートで追いかけても当該車両を特定できないのだ。窃盗グループからすれば、有り難いことにNシステムは前のナンバープレートしか写さない。
封緘されていない前のナンバープレートなら、付け替えたってわからないため、余裕持って逃げられる。
ナンバープレートを盗まれるとヒジョウに厄介。もちろん走行することはできない。
前のナンバープレートだけ交付してもらうなら、自分のクルマ以外の交通手段で陸自へ行き申請すれば4〜5営業日で再交付してくれるが、その間は乗れない。
ナンバーも変えるという覚悟を決めたら当日可能ながら、警察への盗難届けと、後ろのナンバーは封緘を必要とするため、仮ナンバー取って車両を持ち込まないとならない。
いずれにしろ手間や時間、費用掛かります。
■意外に簡単な盗難予防をしておくべし
盗まれてからでは手間がかかるので、ぜひ盗難防止措置をすすめておく。
ナンバー盗難は増えているため、ここにきて盗難防止効果のあるボルトも容易に入手可能。
検索エンジン「ナンバープレート 盗難防止」と聞けばたくさんの商品が出てくることだろう。
価格だって1000円くらいから揃う。大半は緩めるために特殊な形状の工具を使うタイプ。
窃盗グループに特殊な工具を用意されたら盗めるものの、ヤツらは手間を嫌う。どんなタイプでも盗難防止抑制効果は期待できると思ってよい。
そもそも陸自で配給されるボルトって安っぽくてアカンでしょう! 高額車だと外から見える部品で圧倒的にダサい金属肌です。
この際、カッコよく見える盗難防止ボルトに交換したらいいんじゃなかろうか。デザインや色合い、防止のためのロジックがたくさんあって悩むほど。
注意して頂きたいのは専用工具の紛失であります。ボルトを緩められなくなってしまう。専用工具は貴重品と同様に保管しておくことをすすめたい。
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