新車納車時に装着されている「純正タイヤ」。この純正タイヤと市販されている(後付け交換用の)タイヤとは、同じ銘柄で同じサイズであっても性能が違う、ということをご存知でしょうか。今回は、純正タイヤと後付けタイヤのそれぞれの長所と短所について、元自動車ディーラー営業マンがご紹介します。
文:佐々木亘/吉川賢一
■そもそも純正タイヤとはどのようなものか?
純正のタイヤ(新車時に装着しているタイヤ)にも、メーカー名(ブリヂストンやヨコハマなど)と商品名が記されています。そうしたタイヤはカー用品店などで市販されていない、独自商品名をつけられている場合もありますが、後付けタイヤ(カー用品店などで市販されているタイヤ)と同一商品名のタイヤであっても、専用コンパウンドや、専用パターンのものがあり、性能の区別がされています。
新車時のタイヤは、自動車メーカーが設計したとおりに、(そのモデルに合わせた)耐摩耗性、グリップ性能、静粛性、直進安定性などが発揮できるように考慮されたタイヤが装着されています。そのため、どの販売店でも手に入る(サイズさえ合えばどんなモデルにも装着される)「リプレイス用」の後付けタイヤとは、性能が違うのです。
■新車装着タイヤと市販タイヤ、同一銘柄で徹底比較した結果
自動車ディーラー勤務時代、筆者は、一台のクルマで、新車装着のブリヂストンS001と後付けタイヤのS001の走行比較をするという、面白いテストに参加する機会がありました。同一銘柄である2つのタイヤですが、その差は歴然でした。
新車装着タイヤは、後付けタイヤに比べて乗り心地が硬く、高速走行でのコーナリング時には、後付けタイヤより早めにスキール音が鳴っていました。まるで、ワンサイズ細いタイヤを履いているかのように、踏ん張り感やグリップ感が低く感じました。
後付けタイヤは、乗り心地もよく、コーナーでもしっかりとグリップし、ブレーキ性能や旋回性能も上がっていることが体感できました。ハイグリップスポーツタイヤで比較した今回の事例だと、新車装着タイヤの方には、硬めのコンパウンドが使われていて、耐摩耗性を上げていたようです。
(編集部注/高級車や高級スポーツカーの場合は、(既存の市販銘柄と同じ商品名でも)そのモデル専用に開発されたタイヤが装着されている場合があり、そうしたケースでは、後付けの市販銘柄に履き替えると、乗り心地や走行安定性能が悪化するケースもあります)
■純正タイヤと後付けタイヤの長所と短所は?
上記の実験結果は、すべてのクルマのタイヤに当てはまるわけではありませんが、筆者の経験上、純正タイヤは、「耐摩耗性能が高い」という長所があるように感じました。また短所は、「後付けタイヤと比べて高価」、「購入できる場所が限られる」といった点です。
逆に後付けタイヤは、「量販店で容易に手に入る」、「価格が安い」ことが長所であり、「性能の個体差があり得る」点は短所と考えられます。
元自動車メーカーエンジニアの方に聞いたところ、自動車メーカーでは、タイヤの個体差によって車両性能がばらつかないよう、新車製造ラインにてタイヤを装着する前に、ソーティング(並べ替え)をして、タイヤのユニフォーミティ(均一性)向上させている場合があるそうです。これは、新車時の「走行時の異常振動や片流れ現象」を事前に抑制するためで、メーカーは「新車時の性能」に、特に気を使っているようです。
コメント
コメントの使い方なんにか釈然としない記事ですね。タイトルがキャッチ―ですが中身があまりはっきりしない。