■導入費用が高いのに利益が出ない構造に、維持管理がきちんとされない急速充電器の増加
経済産業省は、急速充電器の普及を促すため導入補助金を出しているが、初期に導入された急速充電器は性能が低く、20~40kWhのものが多い。道の駅などに設置されているものがそれなのだが、導入から年月が経過し、老朽化による性能の低下や、故障が相次いでいる。
EVを利用している方は、下道で急速充電器を探して道の駅に立ち寄ったが、故障中で使えなかった……という経験をされたことがあるのではないだろうか。航続距離のギリギリで、ドキドキしながら充電器にたどり着いたのに、使えなかった時のあの絶望感たるや、管理者に文句のひとつでも言いたくなる心境だ。
BEV販売と並行してEVスタンドの建設が進められるが、その値段は1基500万、受電契約(電気を使わなくても支払う必要がある)が60万円と言われている。寿命が10~15年と言われる急速充電器の高額な修理費用を捻出できずにそのまま放置し、結果として閉鎖してしまう充電ステーションも多い。
ちなみに、100kWhの充電器だと設置に2500万円くらいかかると言われており、さらに受電契約とメンテナンスに年間で約250万円かかるという。これだけコストがかかると、現在の日本では高出力の充電器を設置しても、利益を生むことは極めて難しいという実情もある。
とはいえ、高速道路に整備するのはもちろん、道の駅などの充電設備も拡充しなければ、日本でのEV普及は進まないだろう。国土交通省や経済産業省のお役人さんには、ぜひ一度EVでの地方へのロングランと、急速充電を体験してもらいたい。
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