愛車の寿命を延ばす一番手前のメンテ「洗車」しましょう

愛車の寿命を延ばす一番手前のメンテ「洗車」しましょう

 皆さんは愛車の洗車をどのくらいの頻度でやっていますか??  休みのたびにやっている人や気が向いた時だけやる人、また、洗車はほとんどしない人などさまざまだと思いますが、特にこれからやってくる梅雨の季節は「どうせ雨が降ると汚れるからな」と後回しにしがちですよね。

 しかしながら、洗車をすることにはクルマがきれいになることのほかにもさまざまなメリットがあり、それどころか、定期的な洗車を怠ることは大きな損をしてしまうことにつながる可能性さえあるのです。

文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_pingpao/写真:Adobe Stock、写真AC

小傷を見つけやすい

 自身がどんなに運転に気を付けていても、走行中に砂や小石が飛んできたり、荷物がボディに接触してしまった、また洗車をした際に砂や泥を十分に落とすことなくゴシゴシしてしまったなど、クルマには気づかないうちに小傷がついてしまうことがあります。

 こうした小傷は、できるかぎり早い段階で見つけたいもの。傷が浅い擦り痕のようなものであればいいですが、深い傷の場合、サビに進展してしまう可能性もあるからです。一度サビが発生してしまうと、放っておけば、傷がついた以外にもサビが侵食、ボディを腐食させていき、ボディのみならず、サスペンションなどの足回りにもサビが発生してしまうことにも。

 こうした小傷は、クルマが汚れていると見つけづらいものですが、洗車をするときれいになって見つけやすくなるほか、洗車中、拭き上げの際などに細かな傷であっても見つけることができます。

写真のようなバンパーの擦りキズならばコンパウンドで磨けば簡単に落とせるが、サイドシルなどの鉄部分に深い傷が入ってしまった場合、最悪、サビに進展してしまう可能性も(PHOTO:Adobe Stock_ xiaosan)
写真のようなバンパーの擦りキズならばコンパウンドで磨けば簡単に落とせるが、サイドシルなどの鉄部分に深い傷が入ってしまった場合、最悪、サビに進展してしまう可能性も(PHOTO:Adobe Stock_ xiaosan)
洗車をすると、拭き上げの際などに小傷を見つけやすい。クルマが汚れていると傷がついていても気づかない可能性も(PHOTO:Adobe Stock_Rummy & Rummy)
洗車をすると、拭き上げの際などに小傷を見つけやすい。クルマが汚れていると傷がついていても気づかない可能性も(PHOTO:Adobe Stock_Rummy & Rummy)

塗装が長持ちする

 クルマは基本的には野ざらし。自宅駐車場に屋根がついていたとしても、雨や雪などの天候時に運転すれば、クルマのいたるところに雨水や泥汚れがつきますし、高速走行をすれば、ガラスに虫の死骸や小石が飛んでくることはしょっちゅう。季節によっては、黄砂や花粉、PM2.5のような空気中の微粒子もクルマに付着します。これらが付着したまま放置すれば、塗装面のシミやクレーターといったダメージの原因になってしまいます。

 ただの水にも思える雨にも、有機物や重金属類、ナトリウムなどの不純物が含まれているため、そのまま放置してしまうと、水分が蒸発して不純物がシミのようにボディ表面へ残り、それが繰り返されることでどんどん不純物が堆積、汚れが落ちにくくなっていってしまいます。

 降雨において、より深刻なのは酸性成分による影響です。自動車などのケミカル用品を製造販売するメーカーによると、雨に含まれる不純物には前述したほかにも、二酸化硫黄や窒素酸化物などもあるため、雨はやや酸性よりの性質をもっているそう。その酸性の雨がボディに降り注ぎ、前述の不純物が酸化汚れとなってクルマの塗装面に付着してしまうと、「酸化共鳴」という現象が発生、ボディの塗装面を侵食していってしまうのです。二酸化硫黄や窒素酸化物の濃度が高い雨の場合は、さらに状況は深刻となります。

 また、鳥のフンや虫の死骸も、塗装面を急激に酸化させてしまいます。山間部にドライブへ行くと、フロントバンパーやヘッドライト、フロントガラスにびっしりと虫が付着してしまうことがありますが、死骸となった虫を放置すると、大変なことになってしまう可能性も。クリーナーなどで除去するだけでも違いますが、拭ききれない残骸を除去するためにも、やはり洗車が必要。また塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの塩分が含まれる雪道や、海沿いの道、潮風にあたる道を走行した後も、塩によってボディが痛むのを防ぐため、できるだけ早い洗車が必要です。

鳥のフンや虫の死骸は、塗装面を急激に酸化させてしまう。除去したうえで、できるだけ早く洗車をしたい(PHOTO:Adobe Stock_vbaleha)
鳥のフンや虫の死骸は、塗装面を急激に酸化させてしまう。除去したうえで、できるだけ早く洗車をしたい(PHOTO:Adobe Stock_vbaleha)

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