クルマのインテリアはいろいろあるが、なにげに気になるのがエアコンの吹き出し口の形。丸いタイプもあれば四角いタイプもある。あれって性能的にはどっちがいいんだろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ、ホンダ、マツダ、スズキ、アルファロメオ
■丸形はイタリア車が発明した?
エアコンの吹き出し口の形は、大きく2つに分けられる。一つは水平のルーバーがある四角型、もう一つは円の内部に回転式のルーバーがある丸型だ
歴史的に見ると前者の四角型のほうが伝統があり、丸形を初めて採用したのは1990年代のイタリア車だったように記憶している。
たとえばアルファロメオ156は1997年、「世界一醜いクルマ」という称号を持つフィアット・ムルティプラは1998年に丸い吹き出し口を採用している。いっぽう日本ではトヨタ・ヴィッツが1999年に丸型吹き出し口を採用してデビューしている。
それにしてもエアコンの吹き出し口って形状の違いによって性能に差が出たりしないのだろうか。
■後席を冷やしたいときは吹き出しを窓に向ける
自動車の電装系に詳しい人に尋ねてみたりしたのだが、エアコン自体の性能やダクトの取り回しなどのほうが重要で、吹き出し口の形状は車内デザインのテイストで決まるとのこと。強いて言えば丸形はルーバーの形状にクセがあり、カップホルダーやスマホホルダーが付けにくいことがあるそうだ。
ということで吹き出し口の形状は好みで選んでいいということが分かったが、これから暑い夏に向かって注意したいことがある。一つは前述したカップホルダーやスマホホルダーだ。
カップホルダーには「飲み物をエアコンの風で冷やす」という狙いから、意図的にエアコンの吹き出し口に取り付けるものもある。とはいえ車内の冷えを最優先したいときは、飲み物は別のところに置きたい。同様に吹き出し口前にスマホがあれば、冷気の邪魔になるのでこれも外したほうがいい。
後席用の吹き出し口がなくて、リアシートの乗員が暑がっているときは、前席両脇のエアコン吹き出し口を窓方向に向けるべし。前席の乗員の肩越しに冷気が流れて、効率的に後席が冷やせるそうだ。
そろそろ梅雨にも突入する。鬱陶しい季節を、賢いエアコン利用で乗り越えたい。
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