【来春から東京都でも義務化!? 全国急増中!】「自転車保険」の中身とは?

毎月100円台、年間数千円で、3億円の賠償金までカバー

 自転車保険、という名前での保険商品が出回るようになったのは、ここ10年前後でのこと。件の自転車ブームやロードバイクブームなどがあり、自転車による交通事故に注目が集まったこと、高額な賠償金の判例が出たことがきっかけだったと思われる。

 自転車保険は、自転車での事故のみ賠償するものであれば、1カ月103円、年間1300円程度という低額から存在する。

自転車保険のネット申し込みランキング1位のau損保の場合。本人が加入する例を示したが、家族全員のタイプはブロンズが年間8090円、シルバーが1万4860円、ゴールドが2万2250円となる。詳細は保険会社にお問い合わせください
自転車保険のネット申し込みランキング1位のau損保の場合。本人が加入する例を示したが、家族全員のタイプはブロンズが年間8090円、シルバーが1万4860円、ゴールドが2万2250円となる。詳細は保険会社にお問い合わせください

 自転車運転者本人のケガまでカバーする個人賠償保険でも、保険料は年間3000円前後、家族までカバーするタイプでも年間4500円前後からあるので、それを選んでもいい。  

 これには弁護士特約などの示談交渉サービスまで含まれていることも多く、生活トラブルにも利用できるケースもあるので、入っておくと安心だ。

 自治体などの条例で自転車保険の加入を義務化するのも、市民にとって負担が少なく、万一の時の備えとして充分な内容であるからだ。

 自転車屋さんで有料の安全点検を受けるとTSマークというシールが貼られ、それにも賠償責任保険が付いている。

 TSマーク(自転車向け保険)は自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付されるもので、このマークには傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付帯している。

 TSマークには、青色マーク(第一種)と赤色マーク(第二種)があり、賠償内容が違う。 死亡もしくは重度後遺障害(1~7級) の補償は青色TSマークが1000万円、赤色TSマークが1億円。

 傷害補償の死亡もしくは重度後遺障害(1~4級) 補償は青色TSマークが30万円、赤色TSマークは100万円。

 入院補償(15日以上)は青色TSマークが1万円、赤色TSマークが10万円となっている。肝心の保険料の目安は店の整備代金にもよるが青色TSマークが1500円、赤色TSマークが2500円ほどだ。

自転車屋さんで自転車を点検した際に料金を支払えば付帯保険に入ることできる。その際、貼られるがこのTSマーク。このマークには傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付いている(付帯保険)
自転車屋さんで自転車を点検した際に料金を支払えば付帯保険に入ることできる。その際、貼られるがこのTSマーク。このマークには傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付いている(付帯保険)

 ただし、いざ保険金の支払を受ける時に手続きが面倒だったり、保険金が支払われる条件が狭かったりする可能性もあるので、単に保険料の安さだけで選ばず、保険の中身を見比べて選ぶことが大事だ。

 もっともクルマを持っていて自動車保険に加入しているドライバーなら、その自動車保険の特約として個人賠償保険を付けられる損保会社も多い。

 それなら同居の家族まで補償されて3000円前後で加入できるので、特約で加入することをお勧めする。もちろん弁護士特約などの示談交渉サービスの有無も確認して、選んでおくべきだ。

自転車事故の損害賠償、子供が当事者でも賠償金を支払う

自転車運転者が子供であっても賠償責任が発生する。未成年者の場合は監督者である親が支払うことになる
自転車運転者が子供であっても賠償責任が発生する。未成年者の場合は監督者である親が支払うことになる

 自転車事故がその他の交通事故と異なるのは、子供であっても加害者になる可能性があるということだ。子供が自転車を運転していて事故を起こした場合でも、やはり損害賠償金を支払わなければならないのか? 

 自転車事故を起こしたのが、自転車を運転していた子供でも、大人が運転していた状況と変わらないので、過失の有無や過失割合の程度により、対人、対物ともに損害賠償責任が発生する。

 とはいっても子供は未成年だから監督責任は保護者である親が負うことになるのは当然だ。実際、過去の判例においても、両親に賠償命令が下されている。

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