高速道路の追い越し車線に居座り続ける迷惑車 なぜ追いつかれても先を譲らない不思議

■「あなたのクルマを追い越したい」という意志をわかってほしい!

後方をよく見てほしいと感じることは多い(satoshi.o@Adobe Stock)
後方をよく見てほしいと感じることは多い(satoshi.o@Adobe Stock)

 高速道路の追い越し車線を走行中、後続車から一度パッシングされたからといって、後続車に道を譲らなければいけない、というルールはない。

 しかし異常接近してきたドライバーは、前走車にもっと速く走ってほしい、走行車線に移ってほしいというという意思と、イライラした気持ちになっているのは間違いない。あまり火に油を注ぐようなことはせず、早く気付いて道を譲ったほうがいい。これをそのままスルーして追い越し車線を走り続けていくと、あおり運転につながる場合も多いので冷静にお願いしたい。

 居座り続けるクルマが、なかなか退かない場合はどうすればいいのか? 追い越し車線から走行車線に移ってある程度走り、ころあいを見計らってそのまま走行車線で追い抜く方法。つまりクルマが進路を変えずに前走車の前に出る追い抜きということ。

 よくありがちなのは、追い越し車線で前走車に追いついて、すぐに走行車線に移っての追い越し。これは、左側からの追い越しと判断されて「追い越し違反(先行車両の左側からの追い越し)」となり、違反点数2点、反則金9000円となるので要注意!

■パッシングや右ウインカーは?

 パッシングについては、道路交通法52条第2項を見ると、車両の灯火に関する記述があり、他の車両等の交通の妨げになる場合には灯火を消したり光度を減らしたりする必要がある。

 過剰なパッシング行為は「滅光等義務違反」(車両のライトを無闇に明るくして走行を妨げる事)にもなるし、後ろから追走してハイビームを照らし続ける行為もあおり運転に該当するので注意が必要だ。ちなみにウインカーレバーを奥へ倒すとハイビームが点灯し、手前にひくとパッシングになる。

 最後に繰り返して言いたい。高速道路での追い越し車線を走り続けることはやめてほしい。これは通行帯違反。後続車が来ていても法定速度をしっかり守っているのだから自分が正しいという人も、速やかに走行車線へ移っていただきたい。

 居座り続けるクルマがいるために、5台以上そのクルマの後ろに連なっていたり、そのクルマがいるために一番左の走行車線や真ん中の走行車線を使って、追い越していくクルマをいまだに見かけるので……。音楽を聴いている人、家族や彼女との会話で気付かない人もいるかもしれないが、前方左右はもちろん、後方にも気を配ってほしいと思うのだ。

右ウインカーを出すのもいい手立てかと思ったが(xiaosan@Adobe Stock)
右ウインカーを出すのもいい手立てかと思ったが(xiaosan@Adobe Stock)

 記憶が定かではないが、昔は追い越し車線に居座り続けるクルマがいると、右ウインカーを出して走行車線に移るように促す行為が存在した。もっと昔は、右ウインカーはトラックが排気ブレーキ掛けているという合図で、それがランプで点灯するようになったのでなくなったと聞いている。

 いずれも法的なものは何もないがパッシングに比べればイラっとすることもないので、追い越し車線を居座り続ける前走車を追い越したい時の「前走車を追い越したい時の右ウインカー出し」がいいと思ったが、これもあおり行為に当たる可能性がある。

 やはり追い越し車線を走り続ける違反「通行帯違反」を警察に重点的に取り締まって、追い越し車線を居座り続けること=違反ということを地道に啓蒙していくしかないのだろうか。

 夏休みの高速道路のドライブのお供には『高速道路&サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)ガイド2024-2025年最新版』が便利。こちらも参考に!

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