販売店から聞いたRAV4人気の理由
販売店からは、RAV4に関する別の意見も聞くことができた。
「RAV4は、かつてトヨタが販売していたヴァンガードや先代RAV4からの乗り替えが多い。エスティマの3列目を畳んで、2列シートのワゴンとして使っていたお客様が、RAV4に乗り替えることもある。いろいろな車種のお客様が購入していることも、RAV4の人気を押し上げた理由だ」と指摘する。
トヨタ車のなかでは、RAV4はミドルサイズのSUVだから購入しやすいこともあるだろう。ランドクルーザーは前述のようにオフロードSUVだから、日本の一般的な用途には適さない。ハリアーは内外装は豪華だが、価格も高い。C-HRはカッコ良くて価格も手頃だが、後席と荷室が狭い。
その点でRAV4は、後席と荷室が相応に広く、価格はハリアーよりも求めやすい。SUVらしさも濃厚だから、多くのユーザーにとって、トヨタのSUVとしてはちょうど良い選択肢なのだ。
RAV4が売れるほどC-HRの人気が急降下?!
このことは、C-HRの販売推移からも分かる。C-HRは外観に特徴のあるSUVだから、購入するのは主にクルマ好きのユーザーだ。「欲しい!」と思えば、愛車の車検期間が残っていても乗り替えるため、先に述べた通り発売直後の2017年には1か月平均の登録台数が1万台近くまで急増した。
その代わり売れ行きが下がるのも早いが、RAV4が2019年4月に発売された後は、C-HRの販売下降が一層強まった。
2019年3月の対前年比はマイナス19%、4月はマイナス5%だったが、RAV4が発売された後の5月は24%の減少に急増している。
その後は6月が36%、7月は37%、8月は41%という具合に、月を減るごとにC-HRの対前年比は急降下の度合いを強めた。
RAV4が売れるほど、C-HRが下がる関係になっている。RAV4とC-HRでは商品の特徴が大幅に異なるので、互いに影響されにくいと思えるが、実際は両立が難しい。
ユーザーは「SUVが欲しい」と考えて車種選びをするから、どちらか1車種しか選ばれないわけだ。
RAV4の人気は今後も持続するのか?
表現を変えると、C-HRの後席や荷室の狭さを補っているのがRAV4といえるだろう。逆にC-HRには、RAV4では得られないカッコ良くて個性的な外観がある。
ハリアーの豪華さ、ランドクルーザープラドのオフロード性能、ランドクルーザーのV型8気筒4.6Lエンジンによる豪快な加速感も同様だ。
これらトヨタのSUVラインアップのなかで、中核に位置するのがRAV4になる。その周囲をC-HRやハリアーが囲んでいる構図だ。
RAV4はSUVの主役だから、販売が好調なのも当然で、今後も安定的に売れ続けるだろう。
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