故障などした際には車両を販売したメーカーの系列ディーラーにお世話になることが安心と言えるだろう。しかし、そのメーカーの車種であっても、日本国外で販売されていたモデルの場合は、その系列ディーラーでメンテナンスを受けることは可能なのだろうか? 実際に並行輸入車を所有する筆者が、経験も交えてお答えしていこう。
文/小鮒康一:写真/スバル ほか
■ディーラーが整備を受けてくれるかどうかはディーラーの判断次第
日本国外で販売されていたモデルと一口に言っても、日本でも販売されていた車種の海外仕様なのか、そもそも日本国内では一切販売されていないモデルなのかでも判断が異なってくるところだが、基本的には日本仕様以外のモデルについてはディーラーで整備をしてもらうことは難しいというのが正直なところだ。
その理由はさまざまあるが、例え日本で販売されていたモデルの海外仕様であっても、細かな部分まで日本仕様と共有かどうかはディーラーでは判断ができないため、ディーラーが保有する整備マニュアルに沿った作業をしてもそれが間違った整備となってしまうリスクがある。
これが海外専売モデルであればなおさらで、例え日本に同じエンジンを搭載したモデルがあったとしても、仕向地によって出力や排出ガス基準、使用燃料などが異なるため、同じ整備ノウハウが通用するかは不明なのだ。
そして点検整備で必要となる部品類も、正しい部品番号などのデータがないため、どの部品を用意すればいいのか不透明という点もネックとなるのである。
そのため、完璧な整備を実施できない点や、予期せぬトラブルに繋がるリスクもあるため、ディーラーでの並行輸入車の整備はお断りされる可能性が高いと言える。
ただ、例えばそのディーラーにそういった車両に詳しいマニアなメカニックがいるとか、すでにそのディーラーと長い付き合いがあるなどの関係性があれば整備を受けてもらえる可能性もある(事実、筆者の車両は過去にディーラーに入庫して整備していた履歴がある)。
とはいえ繰り返しになるが、並行輸入車は基本的にディーラーでの整備は受けてもらえないという前提で購入を検討し、購入後は購入した店舗やその紹介などでメンテナンスをしてくれる場所を確保しておくことをオススメしたい。
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