会社社長やプロスポーツ選手などが税金対策で自動車購入をしている。さらにデキる社長たちは、あえて中古の高級車を探すというのだが、これは一体なぜなのか。自動車をつかった基本的な節税の仕組みから、デキる社長が中古車を選ぶ理由まで、クルマと節税について解説していこう。
文:佐々木 亘/写真:トヨタ、レクサス、AdobeStock(トップ画像=naka@AdobeStock)
■クルマを買うのがどうして節税になるのか
まずは簡単に、自動車購入がなぜ節税になるのかを説明していく。
大なり小なり、何か事業をしていて、青色確定申告を行ったことがある人ならわかるだろう。確定申告は、自分の所得を国に対して明らかにする行為。その所得金額に応じて、翌年に課される税金が決まるのだ。
ざっくりと話をすると、「売上総額」から「経費」や「控除」を引いたものが「所得」になる。控除の金額は、ほとんど毎年決まっているから、事業主は経費をできるだけ大きくして、所得を小さくした方が、翌年の課税額が少なくなるというカラクリだ。
では、自動車がなぜ経費になるのだろうか。経費として認められるかどうかは、事業の内容や車種によって変わってくるが、今回は、有名人の場合を例に説明していこう。
プロスポーツ選手や芸能人など、顔が多くの人に知られている人の場合、仕事場への移動に公共交通機関を使うことは憚られる。そこで、仕事のための移動に使うモノとしてクルマを購入するのだ。つまり、クルマは仕事を円滑に行うために必要なものであり、これを「必要経費」と考えることができる。
社長が、通勤や業務中の移動に使う名目のクルマも、同様の理由から必要経費となるのだ。個人事業主の場合は、プライベートで使う割合と仕事で使う割合を出して、その割合分だけ経費にすることもできる。(※詳しくは税理士に相談を)
【画像ギャラリー】4年落ちならアルファードも夢じゃない! 経費で買えるならマジで乗りたいクルマを一挙に(20枚)画像ギャラリー■購入代金を一気に引けない!? ちょっと難しい減価償却とは
会社や個人事業主本人のクルマは、会計上の「資産」だ。大きな金額で購入した資産は、減価償却といって一定割合ずつ価値が目減りすることになっている。この目減りした価値が、先に説明した「経費」に該当するわけだ。
減価償却の期間は、資産ごとに決まっている。自動車の場合、新車で6年間だ。大雑把に考えると、新車の購入代金の6分の1ずつを、毎年の経費にできるということ。実際は細かい計算があり、初めの方が償却される金額は大きくなる。
また、会社の資産にして償却できるクルマは、なんでもいいわけではない。事業の際の移動手段として使うクルマは、移動手段として適切な車種選定が求められるのだ。
例えば、2シーターのスーパーカーは、移動手段として税務署に認められにくい。「このクルマじゃ移動しにくいよね」とツッコまれるクルマでは、必要経費として扱うのは難しいことが多いということ。
税務署に認められやすいのは、セダン、ミニバン、SUVといった無難なクルマだ。なので、レクサス LSやメルセデス Gクラス、アルファードに乗る有名人や社長が多くいるのである。
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