ひんぱんに買い替えられるわけでもない「高い買い物」、それは輸入新車である。今現在の性能やデザインが魅力的なのは当然として、5年後・10年後も「変わらず魅力的」と感じられる輸入車とは、どんなモデルなのだろうか?今回はその「定義」を明確にしていく!
※本稿は2024年8月のものです
文:伊達軍曹/写真:ベストカー編集部、AdobeStock ほか
初出:『ベストカー』2024年9月10日号
■「長く愛せるクルマ」の定義
輸入新車を1~3年ごとに買い替えるお金持ちと違って、こちとらド庶民であるため、もしも輸入新車を買うなら10年くらい、少なくとも5年は買い替えずに乗り続けたいものだ。
以前であれば「長く愛せるクルマ」の要因は「走りがいい」「下取りがいい」「経済的で壊れにくい」などの、比較的シンプルなものだった。
だが今や時代は変わった。パワーユニットの定義などが大きく変化し、その変化のスピードもマッハ化している現在においては、2024年の時点で「これなら長く愛せそうだな」と思えるクルマでも、3年もたてば陳腐化してしまう可能性も大なのだ。
であるならば、今から5年後・10年後の時点でも「相変わらずいいな……」と思える現行型輸入車とは、果たしてどんなモノなのか? 具体的に検証してみよう。
【画像ギャラリー】10年遡ってみりゃ分かる!? 彼らは今も魅力的か!? 2015年前後に登場した輸入車たち(24枚)画像ギャラリー■大前提「5年後・10年後でも満足できるクルマ」とは?
今から5年後も10年後も満足できる輸入車とは、結論から言うと「シンプルでプリミティブな部分こそが最大の魅力となっているモデル」だ。
自動車メーカーの多くはマルチパスウェイ戦略に基づき、今後もハイブリッド車を含むエンジン車の生産も続けるはず。
だが2034年頃にはEV比率が50%ほどに高まり、それに伴って2034年の電動車は、現在の電動車とは次元が異なる諸性能になっているだろう。そして自動運転技術も大幅に進化し、SDV(Software-defined Vehicle)も主力になる。
ということは要するに、2024年の現時点で先進的と言われているテクノロジーの多くは今から5年後・10年後、「中途半端に古いモノ」になってしまうのだ。
電動パワーユニットや自動運転に関わる部分は、端的に言ってしまえば、新しければ新しいほどよい。そのため今から5年後・10年後の世界で2024年式の輸入車に乗っている人の多くは、「もっと今どきなモデルに買い替えたい……」という不満を感じることになってしまうのだ。
だが2024年に購入した輸入車がもしも、SDVやらとは無関係な「クルマというもの本来の価値(走りやパワーユニットの気持ちよさ、あるいはタイムレスなデザインなど)」こそを最大の持ち味とする一台であったなら、どうだろう?
周囲でどんな最新ハイテク車が発売されようとも(そしてその多くは自動運転レベル3以上の、さほどスポーティではないモデルだろう)、「ま、なんだかんだでオレのクルマのほうが断然シブいし、今や希少価値もあるよね」というニュアンスで、大いに満足できるはずなのだ。
●2029年または2034年の世の中でも「満足できるクルマ」とは?
1.シンプル&プリミティブである
新技術が出てきても陳腐化しない魅力(人間の根源に訴える何か)がある。
2.デザインがモードすぎない
過剰なモード系デザインは、数年後には“古さ”を感じさせる。
3.エンジンと走りが魅力的である
実用性重視な電動車が過半を占める世の中では、これに希少価値が生まれる。
4.経済的である(壊れにくく、燃費が極悪ではない)
今後はさらなる物価高とガソリン高、人手不足(整備士不足)が予想されるため、経済的であるに越したことはない。
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