「一人で乗るのがつまらないミニバン」ってなに!? 上質になったハイブリッドのSPADAに迫る

 9月MCの新ステップワゴン。標準車は内装の小変更に留め、SPADA(スパーダ)全面推し。下のメイン写真はライバルの一台、ノア(左)との走行シーンだが、ノアに負けじと迫力ある顔に変わった。魅力の武装は待望のスポーツハイブリッド「i-MMD」の搭載。好燃費はもちろん走りも目を見張るものがある、という。

 その走りや乗り味をおなじみの飯田裕子さんが体感し、レポート。燃費と走りの両立、ミニバン界に新たな風を吹かせるか!?

文:飯田裕子/写真:藤井元輔


■ハイブリッドで乗り味進化のSPADAとは?

 「ひとりで乗るのがつまらない……」。秋の訪れを感じる山間のワインディングでミニバンを走らせ、そんな気分になるのがちょっと意外だった。このクラスのミニバンのなかでも、個人的にステップワゴンはドイツ車系の乗り味を漂わせる印象を持つ(足元をカッチリと固められたホンダのミニバンはドライバーは楽しいけれど同乗者は……、という印象をお持ちの方はリマインドをおすすめします)。

ノア(左)に負けない迫力のある顔つきでSPADAが進化した
ノア(左)に負けない迫力のある顔つきでSPADAが進化した

 MCを受けたSPADAに搭載される2モーターハイブリッドシステムはオデッセイやアコードに搭載ずみの2LDOHC i-VTEC+i-MMD 。するとSPADAは事実上、動力のアップサイジングが図られたことになり、それによる走りの余裕で上質さや洗練さを増すモデルへと昇華。だからこそ2人以上でこのリッチ感=豊かさを共有しないともったいない。

 燃費はJC08モードで25.0km/L。ちなみに1.5Lターボエンジン搭載車は15~17.0km/L。実はこのエンジンの動力性能も申し分ないので比べるのは気が引けるけれど、パワーもトルクも燃費も、この2モーターハイブリッドが優れるのは明らか。

 始めの一歩からモーター駆動のスキのない発進→加速が得られ、登坂路など再加速が必要な場面でアクセルをさらに多めに踏み込めば、期待どおりのトルクを引き出すことができる。これは実用性に長けたミニバンなら頼もしいと言うべきところだけれど、この思い通り感は”楽しい”。

ハイブリッドだがその走りはワクワクする
ハイブリッドの走りはドライバーの意思に沿った出力特性だ

 またDレンジから”S(スポーツ)”にシフトレバーで切り替えると、同じペダルの踏み込み量に対しトルクの出方がよりシャープで力強い加速特性へと変わる。Dレンジではよりエコドライブをしやすく、Sレンジではクルマがドライバーのペダル操作を先読みしているのではないかと思えるほど、よりスッ、スッ、スッと出足がよくなる。だから登坂路やワインディングでは操作のムダも減り、よりドライビングのスムーズさが増す。この制御の絶妙ぶりがこのシステムの優れた点。

■3.5L車のような上質感を実感せよ

 実は試乗前、開発責任者の齋藤葉治氏から「3.5Lエンジン搭載車のような走りと旨味を体感してほしい」と言われていた。Dレンジのエコ寄りのトルク性能からSレンジのシャープでトルク感の増す走りのどちらを選んでも満足度があるハイブリッドシステムの旨味というか独特の持ち味、いただきました(苦笑)。

 EV走行時にはより静かさが際立つ静粛性を得た室内。またこの余裕ある走りを受け止めて尖らず、緩めすぎずまとめられた足回りの専用チューンに加え、フリクションダンパーを採用したことで細かな振動すらも抑えられ、スッキリとしたステアフィール。安全面での「Honda SENSING」の標準装備化と機能の充実。そのすべてを得たSPADAの質感が3.5Lを搭載するモデルのような上質なものであると理解すれば納得できる。

 新型ステップワゴンSPADAは出足の1ステップから新しさが伝わるモデル。そしてその1ステップの歩幅(キャパシティの大きさや頼もしさという意味で)は想像以上に広い。

全体として上質感がアップしたSPADA。EV走行時の静粛性なども注目だ
全体として上質感がアップしたSPADA。EV走行時の静粛性なども注目だ

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