VW最小の“弾丸”炸裂!! UP! GTIは初代ゴルフGTIの再来だ!!

肝となるエンジンの長短は?

小ささ&軽さを魅力に変える最小のGTI。国産車ではスイフトスポーツの好敵手となる
小ささ&軽さを武器に変える最小のGTI。国産車ではスイフトスポーツの好敵手となる

 6速MTを介してこのエンジンをぶん回すことで得られる動力性能は0-100km/h加速で8.8秒、最高速が196km/hと、先述の通り初代ゴルフGTIと差はほぼない。

 そのフィーリングは小排気量にありがちなどっかんターボ的仕上がりとは真逆で、最大トルク発生域の2000回転より下側からしっかりと湧き出るトルクの恩恵もあって、さながらディーゼルエンジンのようにフラットな印象だ。

 さりとてレッドゾーン手前の6000回転付近まではしっかりパワーもついてくるのでパワーの伸び感もそれなりに味わえる。標準車も然りだが、バランサーレスでここまでスムーズなエンジンを作る生産精度の高さには恐れ入るばかりだ。

 唯一気になったのは主に低回転域でのスロットルレスポンスがややネムく、シフトダウン時のブリッピングと変速の間合いに気遣う場面があったことだろうか。

 そんなエンジン以上に感心させられるのはシャシーの側で、その車格が信じられないほどにスタビリティは高い。多少のギャップなど、ものともせず四輪、特にリア側をきっちり踏ん張り抜かせて超安定姿勢でコーナーをクリアしていく。

 アシは基準車より特にコイルレートが大きく締め上げられているようだが、そのライド感は日常的な速度域でも標準車以上に快適で上質だ。

 すなわちGTIの本懐は運動性能を偏狭的に際立たせるのではなく、そのスポーティネスを毎日のアシとして基準車以上に快適に使える性能と両立させることにあるといえよう。

■VW UP! GTI

全長×全幅×全高:3600×1641×1478mm
・車重:1070kg
・エンジン:直列3気筒ターボ、999cc
・最高出力:115ps/5000-5500rpm
・最大トルク:20.4kgm/2000-3500rpm
・価格(ドイツ本国):約233万円
・日本導入時期:2018年6月頃(予定)

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