■新型230iには最高出力245psの2L 直4ターボを搭載
次期2シリーズはCLAR(クラスター・アーキテクチャー)と呼ばれるプラットフォームを使用するが、これは現在では3シリーズ以上の後輪駆動モデルに広く使用されている。
BMWのマイザッハ・テストコースに用意されたニュー2シリーズは「230i」と「M240ixDrive」の2モデルで、前者は後輪駆動で180kW(245馬力)を発生する2L 4気筒ターボを、4輪駆動の後者には275kw(374馬力)を発生する3L 6気筒ターボを搭載。ともに8速オートマチックトランスミッションと組み合わされる。
テストのブリーフィングでリリースされた0-100km/hの加速所要時間はそれぞれ5.9秒と4.5秒と発表された。
まずは230iで一般道路からテストがスタートする。ピックアップに優れたエンジンはすでに知られた存在なので、この日はおもに新しくなったシャーシ関連のチェックに集中した。
とりわけ、今回の2シリーズの重要な開発目的のひとつは1シリーズとの差別化を図るために、スポーティなキャラクターを強調することであった。
それゆえにまず行ったのはボディ剛性をアップさせることで、同行していただいた開発エンジニア、メッツ氏によれば各部に補強材を加えて(図を参照)特にボディの局所的な剛性をアップ。その結果、静的捻じれ剛性は12%アップしているという。
また、前後トレッドの拡大とフロントネガティブキャンバーの0度30分増の結果、コーナーでは安定した挙動を示してくれた。
さらに現行3シリーズで導入されたストローク対応式可変ダンパーを採用、固めのサスペンションセッティングでもプログレシブな動きで前後アクスルに調和を保った接地性を可能にしている。
もちろん前後アクスルの荷重比は限りなく50対50に近い。この新しいシャーシは荒れた路面での乗り心地を悪化させることなく、スポーティでバランスのとれたハンドリングを可能にしている。
さらにプルービンググランド内のハンドリングコースではノーズの軽さと確実にコントロール下に置くことができる4気筒ターボエンジン、そして電子制御のデフロックの助けによって、驚くほど素性のいいライトウェイトなコンパクトスポーツクーペであることを証明してくれた。
ドイツではこの230iにもオプションで4WDシステムを注文することができるが、4気筒モデルは後輪駆動のほうがスロットルワークとステアリング操作による基本的なスポーツドライブを楽しめるはずだ。
■上級モデルM240i xDriveはBMW伝統の3L 直6ターボ!
さらに続いてM240i xDriveに乗り換えてのテストを実施。このラウンドではインストラクターが現行M2で先行してテストコースと一般道を走った。
3L、374馬力のストレートシックスを搭載したこのモデルは明らかにパワフルでスロットルを踏み込むとトルクステアを感じるほどであった。
シャーシセッティングはアダプティブダンパーを搭載していたが、先行して乗った230iよりも乗り心地は明らかにハードで一般道路の荒れた路面ではゴツゴツと尖ったショックがお尻に伝わってくる。
しかし路面のいい自動車専用道路やアウトバーンでは吸い付くような安定走行でリミッター近くの速度(250km/h)まで一気に快適に到達する。
またハンドリングコースでは前(+52mm)後(+31mm)ともに広がったトレッド、そしてミシュランの19インチタイヤ(フロント245/35ZR19)(リア255/35ZR19)、さらに剛性がアップしたボディのおかげで、コーナリング、そして現行M2にも勝るとも劣らないダイナミックなパフォーマンスを披露した。
この2シリーズ(G42)の生産は今夏の終わり頃からメキシコのサン・ルイス・ポトシー工場で行われ、秋までにはドイツで正式発表される。
まだBMWからの発表はないが、ドイツでの価格は現行2シリーズよりも高めでM240ixDriveのベースモデルは52,000ユーロ(約680万円)と予想されている。なお、日本への発売時期や価格についての情報は現時点ではまだ発表されていない。
コメント
コメントの使い方