新型GR86グレード選びの決め手はタイヤ! 18インチか? 17か?? じっくり乗ってじっくり厳選!!

新型GR86グレード選びの決め手はタイヤ! 18インチか? 17か?? じっくり乗ってじっくり厳選!!

 2021年7月のスバルBRZに続いて、10月28日にはGR86が登場した。袖ケ浦フォレストウェイで行われたプロトタイプ試乗会でGR86とBRZの乗り味の違いには驚かされたが、今度は箱根をステージとした公道試乗会が行われた。

 すでに、言われているとおりGR86とBRZはエンジン特性、サスペンションそしてシャシーに異なる味付けがなされている。特にサスペンションのセッティングはメーカーの考え方が反映されており、それぞれの個性が際立っている

 GR86はフロントサスが柔らかめ、リアサスを硬めとすることで、フロントを軸にリアが流れるのでフロントの回答性が高く、コーナーでのアクセルオンが早くできる。一方のBRZはフロントとリアのバネレート差が小さくフラットで安定感の高さが特徴だ。

 これまでGR86とBRZの比較がクローズアップされることが多かったが、今回の公道試乗では18インチアルミホイール装着した最上級グレードのRZと17インチアルミホイールを装着したSZのGR86に乗ることができたので、乗り味を比較することができた。

文、写真/萩原文博

「新型86のベストグレードは…? 画像一挙公開でじっくり選ぶと差は歴然!!」(15枚)画像ギャラリー

価格差は31万3000円だが、RZに割安感を感じる

 まずGR86の車両本体価格はSZが6速MT車303万6000円、6速AT車319万9000円。対して最上級グレードのRZは6速MT車334万9000円、6速AT車351万2000円となっている。RZとSZの価格差はMT車、AT車ともに31万3000円だ。

 装備面ではアルミホイールがRZは18インチに対してSZが17インチとなるのをはじめ、RZはリアフォグランプ、フロントスポーツブレーキパッド、運転席・助手席サンバイザー(照明&バニティミラー付)が標準装備となる。

 さらに、シート表皮がSZはファブリックなのに対してRZはウルトラスエード&本革。メーターバイザーがSZは表皮巻きだが、RZはブランノーブ表皮巻き。SZの樹脂ペダルに対して、RZはスポーツアルミペダル。そしてドアトリムなどが異なっていることが挙げられる。

 この装備差を見れば、RZとSZの31万3000円という価格差は適正という以上に割安感すら感じる。

 比較試乗の前に開発者と話をしたが、今回のBRZとGR86の乗り味は18インチホイール&タイヤをベースに行っているとのこと。剛性の高い18インチタイヤを基本の味付けとしているので、17インチタイヤの乗り味は非常に気になるところ。

 試乗車に装着されていたタイヤの銘柄はRZの18インチはミシュランタイヤのパイロットスポーツ4。サイズは215/40R18だ。一方のSZは同じくミシュランタイヤのプライマシーHPで、サイズは215/45R17となっている。

 ミシュランのパイロットシリーズは、高い走行性能を実現したハイパフォーマンスタイヤ。一方のプライマシーシリーズは快適性を重視したツーリング用のタイヤとキャラクターが異なっている。これが走りにどのような影響を及ぼすのだろうか。

18インチのRZのほうが収束が速く安定感が高い

GR86試乗 18インチのRZと17インチのSZ乗り味で選ぶならどちらベストか!
GR86SZのワインディングの走行シーン

 まず、18インチタイヤを装着したRZから試乗した。芦ノ湖畔にある箱根プリンスから芦ノ湖スカイラインの三国峠を往復するコースだが、アップダウンも大きくタイトなカーブが連続するので、ハンドリングの乗り味を比較するには絶好の場所だ。

 18インチを装着したRZは、特にリアがしっかりと路面を捉える感覚が強い。アンジュレーションの大きな場所でもリアサスペンションの収束は非常に早いのが特徴だ。荷重移動の大きなGR86の特性を活かして、ブレーキングからアクセルオンまで素早く行える。

 サーキットで感じたリアの流れる感覚はタイトターンの続く箱根のステージにおいては、リズム感が良くスムーズさを増したように感じる。排気量のアップしたエンジンパワーに対しても非常に許容量の広いサスペンションの味付けと言える。

 一方17インチのホイール&タイヤを装着したSZは、路面がフラットな場所では乗り心地は良い。しかし、アンジュレーションがある場所ではリアサスペンションの収束が18インチと比べると遅めで、フワフワした感覚が残るのはやや気持ち悪い。

 タイヤの銘柄も異なるので、走行安定性も17インチより18インチのほうが高く感じた。峠やサーキット走行を視野に入れている人ならば18インチのRZがオススメ。街乗りしかしないという人であれば17インチのSZで十分楽しめるはずだ。

 もっと安くGR86を手に入れてサーキット仕様したいという人には簡素な装備で車両本体価格279万9000円のRCでも十分満足できるだろう。

 今回の試乗によって装備面だけでなく、乗り味で選んでもGR86のベストバイは18インチホイール&タイヤを装着したRZということとなった。

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