■一番のウリだったデザインはキープコンセプトだがよりシンプルかつナチュラルに
2016年9月にデビューした先代は、VWタイプIIのようなどこか懐かしさを覚えるデザインと、ポップなツートーンカラーで、「このクルマがいい!」「このクルマじゃなきゃイヤだ!」というユーザーのハートをがっちりつかんで大ヒット。
実用性ばかりを追い求めて、「どれを買っても一緒」となってしまう軽が当時多かったなかで、圧倒的な個性を発揮し、若い世代の女性を中心に多くの人から支持されました。
新型の「ストライプス」ラインは、先代の「可愛らしさ」をキープしながらも、「シンプル」「ナチュラル」といった、すっきりと洗練された要素が強まっています。
先代を並べてみても、ぱっと見は大きく変わりません。大きな変化はリアナンバープレートがリアハッチからバンパー部分に移設されたぐらい。先代のオーナーが同じ色の新型に乗り換えても、ご近所の方に気づいてもらえない可能性は相当高そうです。
ですが、2トーンカラーのホワイトが、より透明感が高く光の反射が美しく映えるパールホワイトに変わり、ドア下部にボディ色とメッキを組み合わせたガーニッシュがあしらわれたことで高級感が増しました。
フロントグリルまわりの白い面積がより低い位置まで伸び、スッキリした感じも出ています。またヘッドライト、フォグランプ、フロントエンブレムなどの「甘さ」成分が減り、大人が乗ってもかわいらしくなりすぎないデザインになっています。
インテリアはホワイトを基調とした色使いのインパネに、涼しげなグレーのような立体感のある織りのファブリックシート。先代同様パイピングが施されていて、側面はインディゴブルーの差し色が入ります。短めのスカートやショートパンツで座っても太ももの裏が蒸れたりすることはなさそうです。サポート性もあって座り心地もいいですね。
ポップなボディカラーを室内まで取り込み、丸みが強かった先代と比べ、シンプルで角の取れた水平基調のデザインは、やはりここでも洗練されたシンプルさと控えめな高級感をこのクルマに与えています。
当たり前ですが、車内から自分のクルマを眺めている時間の方が外から見ている時間よりも圧倒的に長いので、新型に乗り換えたオーナーは、より洗練感・高級感を感じるのではないかと思います。
■男性が乗っても照れを感じない「セオリー」ラインが新たに追加
今回の大きな変化としては、こだわりのある大人向けに落ち着いて上品な雰囲気の「セオリー」ラインが追加されたことです。「ストライプス」とは値段は変わりません。
「セオリー」の外装色は単色のみで、濃紺やベージュメタリック、ブラックマイカメタリックなどシックな色が中心となっています。
2トーンのみ、ポップな色合いが中心の8色から選ぶ「ストライプス」と比べると、圧倒的な大人っぽさ。ボディ側面やリアバンパーに光るメッキガーニッシュが、シックなボディカラーをより引き締めます。またヘッドライトのデザインも、「セオリー」だとより「目ぢから」の強さが強調される気がします。
インテリアは、落ち着いたマルーンとブラックのコンビのインパネ・ドアパネルに、ベージュのパイピングがアクセントとなっているネイビーのシート。
こちらも横には単色のインディゴブルーの差し色が入ります。写真で見ると、インパネのマルーンとシートのネイビーのコントラストがややきつめに見えますが、実際に屋外で見るとなかなかいいバランスです。なお、ステアリングとシフトレバーが本革巻なのは「セオリー」のみとなります。
この「セオリー」ラインは、世代の幅広さに加え性別を問わず、父と娘・母と息子といったペアで共有しても違和感のないデザインと色使いとすることで、「ストライプス」では取り込めなかった顧客層を取り込もうという狙いがあります。
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