新型ムーヴキャンバス徹底試乗!オラオラ顔とは正反対のゆるキャラだけど中身は予想に反して凄かった!

■山間部にお住まいの方や高速道路をよく使う方にはターボがおすすめ

セオリーGターボに試乗。658cc、直3インタークーラー付きターボエンジンは64ps/10.2kgmを発生。WLTC燃費はNAに比べ0.5km/L劣る22.4km/L
セオリーGターボに試乗。658cc、直3インタークーラー付きターボエンジンは64ps/10.2kgmを発生。WLTC燃費はNAに比べ0.5km/L劣る22.4km/L

 ノンターボモデルを試乗したとき、交通量の少ない道で少しきつい登り坂に差し掛かると、速度を維持するためにアクセルを強めに踏み込む必要がありました。4000回転を超えたあたりからエンジン音がかなり気になります。

 今回新設定されたターボモデルだと、そこまでエンジンの回転数が上がらず、余裕を持って走れるうえ、室内へのエンジン音の侵入が少ないために快適なドライブが楽しめました。

 気になる燃費ですが、WLTCモードで、ノンターボの22.9km/Lに対し、ターボは22.4km/Lと、燃費の悪化もわずかです。

 価格はストライプス、セオリーともに同価格で、NAが149万6000~167万7200円、ターボが179万3000円(いずれの価格も2WD)。

 ノンターボのGとGターボとの価格差は12万1000円。GターボにはGについていない全車速追従機能付きクルーズコントロールやレーンキープコントロールなど、メーカーオプション4万4000円相当の安全機能が装備されているので、ターボの実質的な追加コストは7万7000円になります。

※5=自然吸気、※6=ターボチャージャー
※5=自然吸気、※6=ターボチャージャー

 「近場でしか乗らないしそんなパワーなんていらないわ、安いほうがいいわよ」というご意見があるのは理解でき、実際にターボを選ぶ人は全体の2、3割だと言われますが、乗り出し価格だけではなく、快適性と下取りの有利さなどを考えてみてもいいかもしれません。

 最新の調査(「2021年度軽自動車の使用実態調査」日本自動車工業会)では、軽乗用車ユーザーが軽を購入するときに最も重視する点として挙げられたのが「スタイル・外観(61%)」です。ムーヴキャンバスは、そのユニークなスタイルと外観で、「このクルマがいい!」とひと目惚れしてしまうコアなファンを先代モデルからしっかりとつかんでいます。

 ユーザーインタビューでも、自分のクルマに家族の一員のように名前をつけている人が多くいたそうです。そのコアなファンにアピールする「ストライプス」だけでなく、ファンの年齢層をさらに広げ、男性客も取り込むためにターボも設定され、「セオリー」も新たに追加されました。

 2021年8月発売のワゴンRスマイルや2022年6月にマイナーチェンジしたアルトラパンなど、同様のコンセプトで競合するクルマも増えてくるなか、ムーヴキャンバスがその牙城を守れるのでしょうか?

 モデルチェンジ発表後1ヵ月時点ですでに約2万6000台、月間目標販売台数の4ヵ月分の受注が入ったと発表されています。どうやらその牙城は競合車に切り崩されるというよりも、むしろ広がっているのかもしれません。

 ムーヴキャンバスの人気の秘密は、見た目の可愛らしさだけでなく、クルマの基本性能が高く、しっかり作り込まれていること。そしてスマホネイティブ世代の若い女性の意見をよく聞き、使い勝手も工夫されていてクルマ作りが丁寧なこと。まさに「見た目だけじゃない、中身も凄いんです」、これが人気の秘密ではないだろうか。

■ムーヴキャンバス ストライプスG 主要諸元
全長×全幅×全高=3395×1475×1655mm
ホイールベース=2460mm
車両重量=880kg(900kg)
最小回転半径=4.4m
エンジン=658cc、直3(658cc、直3インタークーラー付きターボ)
最高出力=52ps/6900rpm(64ps/6400rpm)
最大トルク=6.1kgm/3600rpm(10.2kgm/3600rpm)
WLTCモード燃費=22.9km/L(22.4km/L)
※カッコ内はGターボ

【画像ギャラリー】ストライプスとセオリー、2つのムーヴキャンバスを写真でチェック!(53枚)画像ギャラリー

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