あの小型トラックと同じキャブ!? 「インドのベンツ」はなにもかも違っていた【インドの中型トラック乗り比べ・前編】

あの小型トラックと同じキャブ!? 「インドのベンツ」はなにもかも違っていた【インドの中型トラック乗り比べ・前編】

 インドを訪れたフルロード編集部員による「インドのトラック乗り比べ」、今回は中型トラックを前後編に分けてお届けする。乗り比べる中型トラックは、2台ともキャブ・エンジン・シャシーが新開発というモデル同士。最新モデルから見えたその違いとは?

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/トラックマガジン「フルロード」編集部、ぽると出版、DICV

インドの中型トラックとは?

チェンナイ郊外でみかけたバーラトベンツ1214。GVW(車両総重量)12トンの中型トラックで、写真は以前の排ガス規制(BS4)適合モデルである
チェンナイ郊外でみかけたバーラトベンツ1214。GVW(車両総重量)12トンの中型トラックで、写真は以前の排ガス規制(BS4)適合モデルである

 トラックの車格を便宜的に示す言葉として「小型」「中型」「大型」があるが、法規の上では車両総重量(GVW)で区分される。インドの運転免許の区分では、中型車(Medium goods vehicle)免許はGVW7.5~12トンまで、大型車(Heavy goods vehicle)免許はGVW12トン超とされている。日本の中型免許はGVW7.5~11トン未満、大型免許はGVW11トン超だから、割と近いところがある。

 いっぽう、インドの純国産メーカーは、中型トラックのことを「ICVトラック」(ICV=Intermediate Commercial Vehicle)と呼んでいるようで、これらはGVW7.5~18.5トンまでカバーしている。ICVトラックは、2018年7月の基準緩和により、それまでのGVW上限の16.2トンから拡大されたが、日本の中型モデルはGVW7.5~20トンをカバーしているので、これも近いといえる。もちろんクルマのつくりはまるで違うのだが…

 ICVトラックは、GVW9トン・10トン・12トン・14トン・16.2トン・18.5トンと、だいたい6つのGVWクラスごとに車型が設定されている。日本の中型トラックは、GVW8トン車以外はマイナー車型の扱いだが、インドではそれぞれ売れているようで、配送、運搬、給水、建設などの地場系から、州をまたがっての長距離輸送まで、さまざまな用途で活躍している。

 そしてICVトラックは、トラックメーカー6社が供給している。安価なカウルトラックの新車販売比率は約2割(DICVによる)で、大型トラックよりまだ多いのだが、最新排ガス規制・BS6(バーラトステージ6)適合モデルでは、上級キャブ仕様の設定・新開発エンジンの搭載など、質的向上を指向するメーカーが相次ぎ、市場は明らかに変わりつつある。

次ページは : バーラトベンツvs純国産Y社16トン車

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!