2023年6月に世界初公開されたレクサスGXだが、オフロード性能をさらに高めたGX550 “OVERTRAIL”にアメリカで試乗してきた。ゴツゴツのオフロードタイヤ装着にも関わらずオンロードの乗り心地もイイ!! レクサスの新しい一面を味わえる仕上がりだった。
※本稿は2024年2月のものです
文/島下泰久、写真/LEXUS
初出:『ベストカー』2024年3月10日号
■アメリカでレクサス GXに乗ってきた!
オンロードでもオフロードでも、まさに期待を超える走り。それが日本での発売よりひと足先にアメリカで試したレクサスGXの率直な印象だ。
これまでのレクサスのイメージを覆す直線基調のフォルムは、あらためて見てもインパクト大。それでいて各部の作り込みは精緻で、まさに“プレミアムオフローダー”と呼ぶのがふさわしい仕上がりとなっている。
フレーム別体構造のGA-FプラットフォームはLXと同様で、サイズもわずかに小さいとは言え全長5005mmにも達する。
エンジンも、やはり共通のV型6気筒3.5Lツインターボを積むが、ピックアップ重視で小径ターボチャージャーを用いることで最高出力は354psに留められる。とは言え、最大トルクは66.1kgmで、実は同等である。
主に試したのは外径830mmのオールテレインタイヤ、電子制御式サスペンションのAVS、電子制御スタビライザーのE-KDSSなどを組み合わせてオフロード性能を高めたGX550 “OVERTRAIL”。
一般道でのその走りは、想像を超える上質な乗り心地と、静粛性で驚かされた。
普段は柔らかく路面を捉えて快適な走りを可能にする一方、コーナリングなどの際には瞬時にスタビライザーを締め、減衰力も高めることで、ステアリング操作に対する正確なレスポンスを実現。
フレーム構造特有の曖昧な感触は微塵もない軽快な走りを楽しめる。これだけゴツいタイヤにもかかわらず、ロードノイズが気にならないのも見事だ。
■仕立ても走りもプレミアム
動力性能も充分以上。普段はゆったりと走れる一方、特に“SPORT S”、“SPORT S+”の両モードではサウンド効果もプラスされて、豪快な加速を楽しめる。
オフロードでの走りも期待を超えていた。長大なサスペンションストロークのおかげでタイヤは路面を執拗に捉え続ける。
大きな入力に対してもガツンと来ることはなく、しなやかに受け止めてくれる。単に走破性に優れるだけでなく、ここでもレクサスらしい走りの質で唸らせるのだ。
仕立ても、走りも、まさしくプレミアムオフローダー。GXはレクサスの新しい一面を堪能させてくれる1台である。日本仕様の詳細はまだ未定だが、ますます発売が待ち遠しくなってきた!
●LEXUS GX550 OVERTRAIL SPEC(北米仕様)
・全長×全幅×全高:5005×2000×1935mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:2574〜2588kg
・エンジン:V6 DOHC 3445cc+ツインターボ
・最高出力:354ps/4800-5200rpm
・最大トルク:66.1kgm/2000-3600rpm
・トランスミッション:10速AT
・サスペンション:Fr=ダブルウィッシュボーン Rr=トレーリングリンク
・最高速度:175.42km/h
・0-96km/h加速:6.5秒
コメント
コメントの使い方