【GT-R 最終形態へ】これがファイナルモデルなのか?? GT-R NISMOは至上のスーパースポーツだ

■GT-R NISMOは車体がひと周り小さく感じる

 続いて一般道。印象的なのは「車体の大きさをまったく感じさせなくなりましたね」ということ。

 初期のGTーR、ワインディングロードでも街中でも常に車体の大きさを感じさせた(これも一般道でハンドル握った時の大きな不満点のひとつだった)。

 GTーR NISMOに乗っていると、ポルシェ911と同じく、いい意味で大きいクルマに乗っている感じがしない。

GT3マシンから得たテクノロジーを流用し、史上最強のGT-RのユニットとなったVR38DETT。GT3タービンなどの採用でレスポンスにも優れる

 CPSの田村さんいわく「バンパーやボンネット、ルーフなどをカーボンにしたためです」。

 クルマが小さく感じるという現象、私の経験だと違う側面もあると考える。今までリーフとMIRAIを競技車両に仕立てた。

 軽量化は予算不足でまったくできなかったものの、サスペンションを煮詰めていくと車両の動きのコントロール性がドンドン上がっていく。

 結果的に「意のままに動く」ようになるため、車体の大きさを感じなくなるのだった。あの大きなMIRAIを狭い林道で全開してストレスないから驚く。

 GTーR NISMOでいえば軽量化に加え、サスペンションの仕上がりがよくなったんだと考える。

 狭い街中やセンターラインないような狭いワインディングロードでもひと回り小さいクルマに乗っている感じ。GTーR NISMOで最もウナった点です。

 ホンモノの「いいクルマ」になったと思う。ニュルでタイムを出すために作ったクルマながら、結果的に魅力あるGTカーになったということ。

 3つ目の試乗メニューはサーキット走行。ベルリン近郊にある『ユーロスピードウェイ』(1周4㎞弱)を速度リミッターなしで、好きに走っていいとのこと。

 初めて走るサーキットのため、現役レーシングドライバーが3ラップライン取りを教えてくれるという。

 ということでナビシートに座りコースをレクチャーしてもらうのだけれど、をいをい! 2ラップ目から全開!! もしかして楽しんじゃってないか?

強烈な挙動を見せるGT-R。やはりサーキットはGT-Rの本来の住処なのだろう。ましてやNISMOなら尚更のこと

 運転を代わりコースイン。サーキットのセオリーどおり1ラップコースチェックしようとしたら「もっと踏んでいいですよ」。

 丁寧に運転させるための見張りかと思いきや、そうじゃなかった。

 となればためらわない全開オヤヂであります! 3つ目のコーナーから全開! 裏のストレートは220㎞/hくらいまで出る。このくらいでしょう、というタイミングでブレーキ踏むと、あらま! 思ったより減速しちゃいました〜!

 書き遅れたけれど、GTーR NISMOにはローター径410mmという市販車最大級のブレンボ製カーボンディスクが付いている(リアも390mm)。こいつが素晴らしい仕事をするのだった。

ブレンボとの共同開発で生まれたブレーキシステムはNISMO専用。フロントのローター径は410mmもあるカーボンセラミックローターだ。言うまでもなくとてつもなく高価

 2番目に長いストレートは220km/hからブレーキングしながらコーナーに入るという筑波の最終コーナーのような曲がり方。 

 これまたフルブレーキから少しブレーキ残しつつハンドル切り込んでいくような時のコントロール性も素晴らしい!

 何より凄いのは、250km/hから70km/hくらいまで落とす減速を含め、1ラップで何回もブレーキ酷使するコースなのにブレーキのタッチが”ほぼ”変わらないこと。加えてブレーキの耐久性高く、街中ならクルマの寿命より長いそうな。

 サーキット走らせたって、ひとりで乗るならローター交換などする必要ないんじゃなかろうか。2420万円のGTーR NISMOの500万円分くらいがブレーキ分。納得できるプライスです。

 ハンドリングも素晴らしく、600psを使い切れるか心配だったが、気がつけば全開全開また全開を堪能してしまっていた。これだけのパワーをしっかり使い切れるシャシー性能の高さに全面降伏し、スタンディングオベーションします。

 そんなGTーR NISMOながら、2021年秋から厳しくなる騒音規制はクリアできないと思う。したがってエンジンだけで走る本物の国産スポーツモデルを買うなら最後のチャンスになる。お金あるなら急げ!

【日産GT-R NISMO 2020年モデル主要諸元】
全長×全幅×全高=4690×1895×1370mm
ホイールベース=2780mm
車両重量=1703kg
トレッド(F/R)=1600mm/1600mm
エンジン=V6 3.8Lツインターボ
最大出力=600ps/6800rpm
最大トルク=66.5kgm/3600-5600rpm
トランスミッション=6速DCT
タイヤサイズ=(F)255/40ZRF20/(R)285/35ZRF20
価格=2420万円(消費税10%込み)

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…