■最大のライバルにして難敵のトヨタハイエースの牙城を切り崩すことはできたのか?
ガチのライバルとなるハイエースのスーパーロング&ワイドと比べたらどうか?
私も初めて書くバイヤーズガイドなので、真剣にいきたい。
ちなみに先号で「マニュアルミッションがあったらいいクルマ」にNV350キャラバンを挙げた。
そしたら読者から「マニュアルあるぞ!」というご指摘をいただいた。
確かにロングボディならマニュアル選べるものの、私が欲しいスーパーロングにゃ設定なし。といった細かいことまで誤解されないよう、キッチリ分析します。
まず価格。スーパーロング&ワイドボディはベーシックグレード『DX』同士ならNV350キャラバン280万9800円のハイエース280万2000円で互角。
搭載されるエンジンはNV350キャラバン2.5L、129ps+5速AT。ハイエースは3L、144ps+4速ATで、最高出力だけ見たらハイエース優勢。
しかしトルクは36.3kgm対30.6kgmとNV350キャラバンのほうが優位。
実際に乗り比べたら、トルクが大きく5速ATを採用しているだけあり、軽快に走ってくれます。実用燃費だっていい。サスペンションもNV350キャラバンに軍配を上げておく。
ハイエースの足回り、購入したら真っ先に交換したくなるくらい硬い。いや正確に言えば「動かない」のだ。リアサスなんか右と左でダンパーの取り付け位置が違うほど。
ハイエースの足回りじゃ超有名な『サンコーワークス』(ネオチューンでも知られている)の喜多見さんに聞いてみたら「モディファイしたらまったく別のクルマになるほどノーマルは厳しいです」。
韓国ザックスのダンパー使うNV350キャラバンならノーマル状態で乗れる。乗り比べたら誰だって即座にわかるくらいハイエースの乗り心地は酷い。ハイエースを買って納得できる乗り心地にしようとすれば10万円かかる。
ボディ同色バンパーなど乗用車風の外観持つモデルを選ぼうとすると、NV350キャラバンは『クロムギアパッケージ』となり312万4800円。
片やハイエースの同様ボディだと、同じく『GLパッケージ』が289万4000円。
アルミホイールや革巻きハンドルまで装備するNV350キャラバンに対し、ハイエースはバンパーやホイールキャップなど最小限の装備に抑えているからだ。
キャビンスペースはイーブン。どちらも全長3m×全幅1.7m程度と、軽自動車ならカンペキに飲み込む。
子細にチェックしてみたが、ホイールアーチの出っ張り具合や使い勝手など大差なし。
簡易式リアシートの形状や座り心地は引き分け。ハイエースの基本設計が優れているため、後発のNV350キャラバンといえども勝てない。強いて言えばNV350キャラバンのほうが凝っている。
このタイプのクルマで重要なことを忘れちゃイケナイ。ハイエースだと超豊富なモディファイ(手直し)のアイテムを選べる。
それこそ走り屋御用達のローダウンサスペンションから、派手なエアロキット、はたまた正統派のためのキャンピングカー用改造パーツを含め選び放題。
ハイエースだけのイベントや雑誌まであるほど。歴史の浅いモディファイキャラバンは、選べるパーツが10分の1程度しかない。
例えば寝るためのベッドのキットを探すと、6万円くらいから選べる。折り畳んで収納できるタイプなど、現時点でおよそ50製品!
ショックアブソーバーもビルシュタインからモンロー、車高調整式までさまざま。御予算が限られているなら中古パーツすら簡単に買えちゃう。ハイエースのモディファイ部品だけ見ていても飽きないくらい。これまたハイエースの大きな魅力になってます。
国沢光宏ならどうする? この2車種、私は14人乗り(中型免許以上が必要)を選ぶ。
その場合、圧倒的に魅力的なのがNV350キャラバンだ。価格はまったく同じ332万200円!
だったらトルクのあるエンジン+5速ATを搭載し、足回りも改良しないですむという有利さを評価します。さて、購入にあたり最大の問題になるの、何に使うかだ。
今の私だと使うアテなし。大家族なら迷うことなく買うのに!
(内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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