■価格は2WDから23万1000円高でコスパもいい!
ちなみにライバル車のシエンタハイブリッドの4WDは、E-Fourと呼ばれるタイプで、後輪を前輪とは別のモーターで駆動する。リアモーターは駆動力が低く、雪上では後輪の接地性に差が生じる。もともとE-Fourは、雪道の坂道発進をサポートする4WDになるからだ。以前、シエンタE-Fourを雪道で試乗した際には、坂道発進で前輪が若干空転してから登り始めたことを覚えている。
その代わりシエンタのE-Fourは、燃費の悪化が少ない。試乗したフリードe:HEVクロスターの6人乗りは、2WDのWLTCモード燃費が25.3km/L、4WDは21.1km/Lだから、4WDは2WDに比べて17%悪化する。それがシエンタハイブリッドZは、2WDが28.2km/L、4WDは25.3km/Lだから10%の悪化に収まる。
つまりフリードe:HEVのリアルタイムAWDは走破力を重視しており、シエンタハイブリッドE-Fourは燃費に重点を置いているのだが、本場の雪国で使うユーザーの立場から見れば、フリードの高い4WD性能からくる雪道での安心感を考えると、燃費の差は相殺されるのではないだろうか。
価格にも触れておきたい。フリードe:HEVクロスター(6人乗り)の場合、2WDの価格は320万6500円で、4WDは343万7500円だ。4WDは2WDに比べて23万1000円高いが、4WDには、リアデフロスター、撥水ヒーテッドドアミラーなどをセットにしたコンフォートビューパッケージとPTCヒーターが標準装着される。
そうなると4WDの正味価格は約19万円だから、走行安定性の向上も考えるとかなり買い得だ。雪道を走る機会が少なくても、長距離を移動する機会の多いユーザーは、4WD車を積極的に検討することをお薦めしたい。
購入時には納期にも注意したい。2024年7月中旬に販売店に尋ねると「e:HEV AIR EXは人気が予想以上に高く、約10カ月を要する」としている。
一方「e:HEVクロスターは約6カ月で、ノーマルガソリンエンジンならAIR EXを含めて2~3カ月に収まる」という。ホンダでは「e:HEV AIR EXは増産を検討中」と述べたが、2024年7月中旬時点では、納期は短縮されていない。購入するなら納期もチェックしておきたい。
■フリードAWDのラインナップ
※2WDに比べて各23万1000円アップ
フリードe:HEV AIR 6人乗り 4WD:308万8800円
フリードe:HEV AIR EX6人乗り 4WD:327万8000円
フリードe:HEV クロスター5人乗り 4WD:339万3500円
フリードe:HEV クロスター6人乗り 4WD:343万7500円
フリードAIR(ガソリン)6人乗り 4WD:273万9000円
フリードAIR(ガソリン)6人乗り 4WD:292万8200円
フリードクロスター(ガソリン)5人乗り 4WD:304万3700円
フリードクロスター(ガソリン)6人乗り 4WD:308万7700円
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