2026年8月コペンがラインオフとなり、生産終了となった。ダイハツのスポーツカーはどうなるのか? 気になりますよね。9月からDGR (ダイハツ・ガズー・レーシング)の体制を強化し、「もっといいクルマづくり」を加速させるプロジェクトが始動している。一体どんな中身なのか? 取材した。
文:ベストカーWeb編集部/写真:西尾タクト
【画像ギャラリー】ダイハツ製激アツスポーツモデルが生まれる予感!! 新生ダイハツ・ガズー・レーシングの現場を大公開!(8枚)画像ギャラリー「もっといいクルマづくり」を可能にする人材育成が一番のミッション
大阪府池田市のダイハツ本社からクルマで約10分、8月までコペンを生産していた「コペンファクトリー」の2階にDGRの中枢となるラボがある。「DGR池田ガレージ」だ。現在は約20人のメンバーがモータースポーツ参戦車の開発と整備にあたっている。
小さな所帯だが設計、解析に加え、機能部品の製作もでき、「もっといいクルマづくり」に知恵を絞っている。こういったラボは入った瞬間、緊張感に包まれるものだが、張り詰めた空気はない。
近くでは10月に岐阜県高山市郊外で開催される全日本ラリーの「ハイランドマスターズ」に参戦するミラ イースDSR(tuned by D-SPORT Racing)のクルマづくりに向け、エンジニアとメカニックがフラットに意見を出し合っている。
DGRは、ダイハツでも「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を実践しようと、2022年に発足した。以来、ラリーを中心にモータースポーツに参戦するとともに、各地で初心者でもモータースポーツの楽しさを味わえるダイハツチャレンジカップを開催しファンづくりを行ってきた。
その一方で、「もっといいクルマづくり」という点では、物足りないものがあった。一つの成果としてターボエンジンと5MTを搭載したミラ イースDSRが誕生したが、わずか100台の限定販売。コペンがラインナップから外れた今、新たなスポーツモデルがカタログモデルとして欲しいところだ。
新しいスポーツモデルの開発には何より人材が必要だ。ダイハツらしい小気味のいいスポーツモデルを生み出すためにDGRはこの9月から体制が強化されたが、その一番の狙いは「人材育成」だ。
これまでのDGR活動はダイハツ社内でも、それほど認知されていない「同好会」的なものだったが、今回の体制強化により、一人一人がそれぞれの「プロ」へと生まれ変わり、ダイハツのクルマづくりを変えていくことが期待される。
具体的には何が変わるのか? チームリーダーに聞く新生DGRの狙い
2026年1月からDGRは人員強化を開始。9月からはさらに各々の役割を見直し、人材育成強化を図っている。
DGRのグループ長は岩村卓氏が務め、小池一成氏がチームリーダーを務める。ラリーなどモータースポーツ活動は岩村氏がチームの責任者、小池氏が監督として率いることになった。現場のリーダーともいえる小池氏に課題と目標を聞いた。
「これまでの活動はスポーツ色が薄かったという反省があります。というのも全日本ラリーにコペンやミラ イースDSRで参戦しても、競う相手がいませんでした。モータースポーツはライバルと競ってこそ、成長があると思います。
だから全日本ラリーはハイランドマスターズ(高山10月16~18日)、モントレー(群馬11月20~22日)の2戦にDGRからミラ イースDSRを2台エントリーさせようと思っています。ドライバーには相原(泰祐)のほかに、新たに2名を社内からスカウトしました。
2台のミラ イースDSRが競うなかで、ミラ イースDSRを購入されたお客様たちも参加いただき最終的には軽自動車クラスというものが生まれ、競い合う環境が出来上がればいいと思います。もちろん、国沢(光宏)さんという強烈なライバルの存在も意識していきますよ(笑)
また、まだまだ出来ていないこととしては、モータースポーツで鍛えた中身を市販車へフィードバックして良いクルマづくりをしていくこと。今後くるま開発本部(技術部門)とも連携してそこを形づくっていく必要があると思います。」
その思いは車両開発に関わるTTS(トータルテクニカルソリューションズ)の畠山径さんにも大きく流れている。エンジニアとしての想いを聞いてみた。
「いいクルマを作りたいというのが最終的にはあって、そのためにはラリーで速いクルマだったり、乗りやすいクルマだったり、勝てるクルマだったり、いろんな狙いがあると思うのですが、毎回目標を定めてクルマを作りこみ、市販車にフィードバックすることが目標です。そのためには1戦1戦大事にしてカイゼンしていきたいですね」と語ってくれた。
DGRのラボはダイハツ本社や技術部門と距離的には遠くないものの、これまではあまり交流がなかったという。小池氏はこう続ける。
「モータースポーツの重要性を社内でアピールし、DGRの認知度を上げることが直近の課題だと思います。『何か面白そうだ』と覗きに来てもらえるようにしたいと思います。あとは社内公募でDGRのメンバーを募るとか、とにかくダイハツがこれまでやってこなかったことをモータースポーツ活動以外にもやっていきたいですね」
大きくはないDGRという組織が、ダイハツを変える起爆剤となれるのか? 注目だ。
【画像ギャラリー】ダイハツ製激アツスポーツモデルが生まれる予感!! 新生ダイハツ・ガズー・レーシングの現場を大公開!(8枚)画像ギャラリー












コメント
コメントの使い方