インドの大手商用車メーカー・VEコマーシャルビークルズ(VECV)は、車両総重量3.0~3.5トン小型トラック「アイシャー プロX」のディーゼル車モデルをこのほど発表した。本年初に先行発表したBEVモデルに続くもので、同国SCV(スモール商用車)市場へ本格参入する。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/VE Commercial Vehicles(VECV)、フルロード編集部(タイトル写真加工)
VECV初のSCVトラック

VECVは、現地商用車メーカーのアイシャーモータースとボルボトラックスが2008年に設立した合弁企業で、アイシャーブランドの小型~大型トラックの開発・生産およびボルボ車の輸入を行なっている。
もともとアイシャーモータースは、三菱ふそうキャンターの国産化(1982年)からスタートしており、VECV発足後はボルボそしてUDトラックスの技術支援でモデル刷新を図るなど、なにかと日本メーカーと縁のある企業だったが、近年は独自開発の小型トラック製品化を進めている。
「プロX」も独自開発モデルのひとつだ。しかも同社の既存モデル(車両総重量5トン~55トン:LCV/ICV/HCV各セグメントに相当)にはなかった、SCVセグメントに初めて進出する。
SCVセグメントとは、車両総重量2.0~3.5トン未満の商用車を表すクラスフィケーションで、排気量1リッター未満の軽トラックから、3リッターディーゼルの1~2トン積ピックアップ、キャブオーバー型トラック、さらにバッテリーEVなど、さまざまな車格とパワートレーンをもったクルマが混在している。
プロXは車両総重量3.5トンと、SCVセグメントの中では最も大きい車格になる。最初にデビューしたのは、バッテリーEVモデル(2025年1月発表)だったが、所有するためのハードルが低いディーゼル車はやはり本命で、フリートユーザーから小規模事業者、初めてトラックを導入するユーザーなど、より幅広い層を対象としている。