2026年3月16日、MANは連結総重量で最大250トンに対応する量産型トラクタを世界初公開した。
重量物輸送用の新大型トラックはミュンヘンとヴィットリッヒの工場で完成車として量産される。同社の大型トラック「TGX」のトップエンドを担うフラッグシップで、製品ラインナップは総重量で3.5トンから250トンまで拡大した。なお、最初の顧客としてMANのレンタル車を手掛けるBFSに初号車が納車されたそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/MAN Truck & Bus SE
MAN、連結総重量250トンの新型車
ライオンのマークをエンブレムとするドイツの大手商用車メーカーで、フォルクスワーゲンの商用車部門・トレイトンに属するMANトラック&バスは同社の大型トラッククラスにおける最重量級の「TGX 41.640 8×4/4」大型トラクタを発表し、超重量物輸送における存在感を誇示した。
連結総重量250トンに対応する4軸大型トラクタは、4輪駆動・4輪操舵となり、風力発電用のタービンや大型変圧器、軍用の潜水艦など、時に数百トンという重量に及ぶ分割不可能な巨大貨物の輸送を担う。
新型車には「トルクコンバータークラッチ」という、重量物用に設計された特別なギアボックスが搭載される。併せて強力な油圧やエアコンプレッサシステムを備え、30軸を超えるような多軸トレーラを連結しても水平を保ち、あらゆる走行状況で正確な操舵を実現するという。
重量物運搬用トラクタは確実な需要があるいっぽうで販売台数としては非常に少ない。メーカー製トラックにサードパーティの改造を施して対応するケースも多いが、新型車はMANインディビジュアルによる完全な工場ソリューションとなる。
すなわち、MANのミュンヘン工場でベースとなる4軸トラクタを生産し、ヴィットリッヒにあるMANトラック改造センターで高耐久カップリングや強化された冷却・駆動系、油圧タンクなどが装備される。いわばメーカーによる「純正改造」で、ダイムラーなども重量物運搬仕様で同様の手法を採用している。
メーカーのソリューションとなるため、当然ながら他の全車両ラインナップと同じ包括的なアフターサービス、保証、ファイナンスなどが付帯する。これによりMANのラインナップは総重量で下は3.5トン、上は250トンまで拡大した。
これほど広範囲のソリューションを提供する企業は、世界でも数少なく、「TGE」「TGL」「TGM」「TGS」「TGX」の各モデルがあらゆる輸送業務に応える。なお、バッテリーEVの純電動モデルが12トンから42トンのモデルに設定されている。
初号車はレンタル会社に納車
MANトラック&バスの取締役でセールス・カスタマーソリューションを担当するフリードリヒ・バウマン氏は、大手運送会社80社を招いた発表会で次のように話した。
「新型の250トン級トラクタの導入により、私たちは重量物輸送の最高峰に帰ってきました。重量物輸送の専門知識を有するMANインディビジュアルを通じて、最高の性能と信頼性、そして経済性を兼ね備えた大型トラックをお客様に提供できます。こうすることで、お客様のビジネスをよりシンプルにするという弊社の強いメッセージを改めて発信しています」。
250トン級TGXの初号車だが、ドイツのレンタルトラック会社、BFSに納車された。同社向けのトラクタは濃紺のカラーリングで、短い期間だけ重量物運搬トラクタを必要とする運送会社向けにレンタルされる。
BFSのマネージングディレクターを務めるヤン・プリーニンガー氏は「この特別なトラックを弊社のフリートに加えることができて光栄に思っています。私たちにとってもレンタル車両のフラッグシップであり、MANとの60年に渡るパートナーシップの新たなハイライトです」とコメントしている。
同社はMANの標準モデルから特殊車両まで柔軟なレンタル(短期から長期まで)を行なっており、ドイツのほか、スイス、クロアチア、オランダにある90以上のMANのワークショップによる包括的なサービスネットワークがこれをサポートしているそうだ。

