水素で走るトラックの心臓部! 商用車用燃料電池の次世代モデルが勢ぞろい!

■セルセントリック/次世代FCシステム(パネルのみ)

セルセントリックが開発中の「次世代FCシステム」。前回に続いてパネルのみの展示となった(写真:セルセントリック)
セルセントリックが開発中の「次世代FCシステム」。前回に続いてパネルのみの展示となった(写真:セルセントリック)

 ダイムラートラックとボルボグループの合弁FC開発生産会社・セルセントリックは、昨年同様ドイツ企業合同ブースでの参加。出品内容も同じく現行型FCシステム「BZA150」の実物サンプルと、「次世代FCシステム」のパネルだったが、後者は前回開催直後の昨年4月に米国で諸元の一部を発表している。

 目を惹くのが、連続出力375kW以上(500PSに相当)と、国産の大型商用車用FCシステムよりかなり強力なFCシステムである点だ。この数値は依然公表していた目標値(350kW)を上回る。もちろん、欧州や米国などの大型トラック(セミトラクタおよびフルトラクタ)市場を意識した数値である。日本でも重量物運搬用トラクタで需要のある出力レンジだろう。※注

 水素燃費は20%も改善しており、フル積載状態の40トン車を、水素9.7kgで100マイル(約160.9km)走行できるという。リッター燃費的にいえば「水素1kgあたり16.4km」となる。現行のBZA150型を搭載したダイムラーの大型FCセミトラクタは、80kgの液体水素を用いて25トン積のセミトレーラ(トラクタを含む連結総重量は40トン)を走らせた実験で航続距離1047kmを立証したが、その際の燃費値(水素1kgあたり14.2km)に対しても15%改善となる。

 FCシステムの容積は、13リッター直6エンジン相当にまとめられており、エンジンルームにすっぽり収まるが、重量は400kgで大幅に軽い。燃費以外でも、連続300kW出力時の排熱を40%改善し、出力密度は40%の向上となっている。現行BZA150型FCシステムだと2基必要となる出力を1基で発生できるため、補機類などのシステム構成要素を40%も簡素化している。

※注:FCシステムで生成する電力の出力が375kWであって、走行用モーターの出力ではない。しかもFCEVでは高電圧バッテリーに貯めた電力も併用できるので、FCシステムの出力は必ずしも内燃エンジンの馬力とイコールにはならないので注意が必要である。とはいえFCシステムの出力は、FCEVおよびFCパワートレーンの性格を推し量るポイントと考えられる。

セルセントリックのFCシステムを搭載するダイムラーの大型FCトラック「メルセデスベンツNEXT GenH2トラック」。いまは現行型のBZA150型FCシステム2基を用いているが、いずれは「次世代FCシステム」を搭載することになるだろう
セルセントリックのFCシステムを搭載するダイムラーの大型FCトラック「メルセデスベンツNEXT GenH2トラック」。いまは現行型のBZA150型FCシステム2基を用いているが、いずれは「次世代FCシステム」を搭載することになるだろう
【画像ギャラリー】スマートエネルギーWEEK/H2&FC EXPOに出品された次世代FCシステムと大型FCトラック(13枚)画像ギャラリー

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