自動運転はサステナブルな鉱業に不可欠
自動運転ロードトレインのオペレーター・チームはオンスローにある中央オペレーションセンターでフリートをコントロールする。さらに、MinResでは人工知能(AI)によるモニタリングシステムも開発中とのこと。
鉄鉱石の輸送においては、コスト効率に優れ、また、粉じんをまき散らさないサプライチェーンの構築が求められており、それを実現し西ピルバラ地域の鉱床の開発を進めるには自動運転ロードトレインの開発が不可欠だという。
それぞれの自動運転車両がトレーラ3台を連結し、およそ330トンの鉄鉱石を一度に運ぶことができる。連結総重量は明らかにされていないが、先行試験では425トンとなっており、おそらく400トンを超えるはず。
これだけの長大トレーラの自動運転となると、さすがに一般交通とは分離されており、ケンズボアの鉱山からアシュバートン港まで専用運搬道路を使用して約150kmの距離を輸送する。
プロジェクトにおいて安全性は最も重要なポイントで、専用道路を走る自動運転ロードトレインと、一般道(公道)を走る車両の衝突が発生しないように、道路の交差点は立体交差となっている。
この車両で運搬された鉄鉱石は港にある22万トン容量の密閉型負圧貯蔵施設に移され、そこから容量2万トンの積替え船により40km沖合のケープサイズキャリアに運ぶ。
(ケープサイズキャリアとは、載貨重量が数十万トンに及ぶ最大級のバラ積み船で、スエズ運河やパナマ運河を通航できないサイズの運搬船のこと)
このプロジェクトは鉄鉱石を低コストで輸送し、鉄鉱山のオペレーションを長寿命化するというMinResの戦略においても重要な位置にあり、同社は2024年の半ば以降、年間で3500万トンの鉄鉱石を出荷する予定だ。
MinResの最高経営責任者であるマイク・グレイ氏は次のように述べている。
「ヘキサゴン社とのパートナーシップを強化し、世界初の自動運転ロードトレインによる貨物輸送を実現できることに興奮しています。オンスローにおける鉄鉱石輸送は、これにより安全で効率的で、粉じんの少ないソリューションになります。
自動化はドライバーの疲労を軽減し、運行コストを下げ、燃料の使用量と排出ガスを削減します。この技術は世界の鉱山業界を変革する、とてつもない可能性を秘めています」。
また、ヘキサゴンABの社長兼CEOを務めるパオロ・グリエルミニ氏は次のように付け加えた。
「ヘキサゴンは自動運転を世界をよくするための手段だと考えています。本日のMinResとの合意は、輸送がより安全で、よりサステナブルで、より生産的になることを保証するものです。同様のソリューションが他の分野、たとえば農業や重工業などにも適用される日を楽しみにしています」。
【画像ギャラリー】実は日本でも走っている? ケンワースのトラックとロードトレインを画像でチェック!(10枚)画像ギャラリー