強大な低速トルクがもたらす省燃費! 三菱ふそう新型スーパーグレート・12.8リッターエンジンの注目すべきパフォーマンス

3つの排気量から選択可能に

 最後に、新型スーパーグレートのエンジン出力バリエーションを紹介する。6R30型とともに、従来からの6R20型、6S10型も継続設定するが、一部機種は廃止となっている。

◇6R30型(12.8リッター)
 全5機種だが、単車型は394PSと421PSの2機種で、それ以上はトラクタ専用となる。6R30型は高出力レンジが充実しており、中でも6×4トラクタ車型・FV-R専用の530PS・6R30T5は、6R10T7以来6年ぶりの500PS超エンジンで、重トラクタユーザーには待望の復活となる。

 最高出力530PS・最大トルク2600Nmは国産トラクタ最強でもあり、その動力性能は、今年復活したUD・クオンGWの12.8リッター・530PSや、そのいすゞ向けモデル・ギガEWと拮抗する。いずれは12.9リッター・520PSの日野・プロフィアSSも市場に復帰するはずで、高馬力トラクタの選択肢が増えるのは歓迎だ。

・6R30T1:最高出力394PS/1600rpm・最大トルク2000Nm(204kg・m)/1100rpm
・6R30T2:最高出力421PS/1600rpm・最大トルク2100Nm(214kg・m)/1100rpm
・6R30T3:最高出力448PS/1600rpm・最大トルク2200Nm(224kg・m)/1100rpm
・6R30T4:最高出力475PS/1600rpm・最大トルク2300Nm(235kg・m)/1100rpm
・6R30T5:最高出力530PS/1600rpm・最大トルク2600Nm(265kg・m)/1100rpm

◇6R20型(10.7リッター)
 360PS~428PSまでの3機種。ほぼ6R30型と重なる出力レンジだが、当面は併売し、順次展開を縮小する方針という。なおトラクタ用460PS仕様は、6R30T4へ移行する形で廃止となった。

・6R20T1:最高出力360PS/1600rpm・最大トルク2000Nm(204kg・m)/1100rpm
・6R20T2:最高出力394PS/1600rpm・最大トルク2000Nm(204kg・m)/1100rpm
・6R20T3:最高出力428PS/1600rpm・最大トルク2100Nm(214kg・m)/1100rpm

◇6S10型(7.7リッター)
 軽積載の大型単車・セミトラクタ用381PSの1機種のみ。354PS仕様は廃止となった。

・6S10T2:最高出力381PS/2200rpm・最大トルク1400Nm(143kg・m)/1200-1600rpm

 日本の道路は山坂が多いため、定速・定回転で巡航できる時間は少ない。その点、排気量の大きいエンジンは、基本的に低速トルクが大きく、積載状態でも多少の勾配ならシフトチェンジに煩わされることなく走破でき、ドライバビリティが良いことから、ドライバーに好まれる傾向にある。また、高回転域まで回さずに使えるため、燃費が大きく悪化しないメリットもある。その代わり重量(積載量)や定速・定回転での巡航時の燃費では、相対的に不利となる。

 新型スーパーグレートが、どのようなドライバビリティを秘めているのか、未試乗の現時点では不明だが、日本のトラックドライバーが期待をもって見つめているように思える。

【画像ギャラリー】低速からの大トルクが省燃費と優れたドラビリをもたらす! 新型スーパーグレートの12.8リッターエンジン(4枚)画像ギャラリー

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