トラックのオーナーとなり自分で仕事を受け持つオーナーオペレーターとして、アメリカでトラックを走らせている日本人女性ドライバーのPUNKさん。
アメリカではトラックが停められる日本のようなコンビニもなく、大したレストランもないようで、少しでも健康的で美味しい食事を摂るため、日夜苦労しているようです。
そんなPUNKさんにアメリカの「トラック飯」事情を聞いてみました。
文・写真/なでしこトラッカーPUNKさん
ときどき懐かしくなる日本での食事の思い出
アメリカでトラックに乗っているPUNKです。今日は「トラック飯」っていうんでしょうか、食べ物の話をさせていただこうと思います。
ヘリコプターの操縦免許を取得するために渡米したのが1995年のこと。その後、紆余曲折を経て、もう20年以上アメリカでトラックに乗っていますが、実は日本でもキャリアカーを運転していました。
時々ふと思い出しては懐かしくなるのですが、あの頃は、ほとんど毎日帰宅できる仕事だったので、家からお弁当を作って持って行ってました。
クルマのオークション会場やお届け先の中古車ディーラーなど、同僚の運転手とたまたま同じ場所に行くようなときは、一緒にラーメン屋さんや某牛丼屋さんなんかに行ってました。それが楽しみだった記憶があります。
別ルートで東京外に出るときは、その地方のサービスエリアやドライブインなどで食事を取ったりすることもありました。群馬県の高崎市へ個人車をお届けしたとき、駅の周辺にトラックを停めて、息を切らしながら走ってダルマ弁当を買いに行った思い出もあります(笑)。
トラックを停められる場所が限定されますが、日本はちょっと走ればコンビニもたくさんあるので、お弁当を作らなかった時はオニギリや菓子パン、飲み物全部含めて500円以内で買えた時代です。
アメリカに来てトラックに乗りはじめたときから「日本のコンビニを持ってきたい!」ってずっと思ってました。それは今でも変わりないですが……(笑)
食事のスタイルもアメリカン
アメリカではどうでしょう? 毎日家に帰宅できるローカルの仕事だったときはサンドイッチやオニギリなどお弁当持参で出かけたり、時々コンビニに寄ってホットドックやハンバーガーや飲み物を買ったりしました。
コンビニといっても、もちろん売ってるものがまったく違うので、日本生まれ日本育ちの私には、おでんや肉まん、あんまん、蕎麦や鮭弁当が恋しくなったりするわけです。
アメリカで長距離を走るようになってからは、時々スーパーマーケットに寄って、野菜や果物を買うようになりました。トラックストップでは、なるべくハンバーガーやホットドックを買わずに鶏の唐揚げとサラダ中心にしています。
実は今年、ついに電動式クーラーボックスと電子レンジを購入しました! トラック内のスペースはかなり狭くなりましたが、食事内容がグッと健康的になったように思います。それに食事代もセーブされました。
一旦家を出発したら大陸を横断して、自宅方面の荷物がなかなか見つからなければ1~3カ月は帰れないので、車内が生活の基盤といっても過言ではないんです。調理道具も小さめの電気ケトルや電気鍋、三合炊きの電気炊飯器を持っています。
余った鶏の唐揚げを千切って炊飯器に入れて炊き、チキンライスなんかも時々作りますよ。醤油、ごま油、スプレー式のオイル、ポン酢、ジャム、塩こしょうなど調味料類も揃ってます。
ただ、一日10~11時間走ったあとは作る元気もないので、時間に余裕があって使った調理道具を洗える環境がある場所で利用しています。たくさん作り置きしておけば冷蔵庫に入れられるし、食べるときにレンジでチンすればOK(笑)