デュトロ1.5トン積/ダイナ1トン積系が出荷停止
今回、出荷を一時ストップすることになった織機製エンジンは、2.8リッター直列4気筒の「1GD」(認証年:2017~21年)、2.4リッター同の「2GD」(認証年:2020年)、3.3リッターV型6気筒の「F33A」(認証年:2021~22年)の3機種で、いずれも筒内直噴ディーゼルエンジンである。
これらのエンジンのうち1GD系の国内モデル・1GD-FTV型は、小型トラックの「日野 デュトロ1.5トン積」「トヨタ ダイナ1トン積系」や、ワンボックスバンの「トヨタ ハイエース」「マツダ ボンゴブローニイ」など、商用車の主力ディーゼルエンジンとなっている。
これらの生産車を抜き打ち検査で、改めて確認したところ、エンジンは性能基準をクリアしており、既納車を引き続き使用してもなんら問題はない。
ただしエンジンの出荷停止を受けて、デュトロ1.5トン積/ダイナ1トン積系を生産している日野自動車では、この2モデルを一時出荷停止とした。日野によれば、昨年の平均月産台数はデュトロ1.5トン積が50台、ダイナ1トン積系は750台という。
また、上級の車格となる積載量2~4トンクラスの日野 デュトロ/トヨタ ダイナは、エンジンが日野製4.0リッター(N04C型・排ガス後処理装置はHC-SCR)で今回の案件には該当しないものの、車両組立ラインが同じであることから、生産工程の都合上、こちらも一時的に生産を停止した。再開時期は未定で、2月1日以降に判断するとしている。※
※ 記事内容の一部を訂正しました。
トヨタの小トラ商品がピンチ!?
日野 デュトロの大半は2~4トン積クラスなので、影響は軽微とみられるが、トヨタダイナでは1トン積系の販売比率も大きく、年度末での出荷停止は、ユーザーへの影響が懸念されるところだ。
しかも、ダイナ1トン積系の下位クラスにあたる0.85トン積のタウンエーストラック(ダイハツが開発・生産)はさきごろ型式取消処分で販売できなくなったため、トヨタの積載量0.85~1.5トンクラス車は、現時点でダイナ1トン積系のガソリン車のみになってしまった。
このほか、海外向け小型トラック「日野200シリーズ」のEuro-VI排ガス規制対応モデルが1GD-FTVを搭載しており、月産170台ほどという。Euro-VI仕様の日野200は、マレーシア・シンガポール・台湾・香港へ輸出しているが、こちらも出荷を停止している。
【画像ギャラリー】いったん出荷停止の日野デュトロとトヨタダイナの1~1.5トン積系(5枚)画像ギャラリー